「ZIN Fest!! 2020」
カリフォルニアに ZAP (Zinfandel Advocates & Producers) という団体のジンファンデルに特化した試飲会がありますが、この度日本でも同じようにジンファンデルだけの試飲会が開催されました。インポーター7社の出品は約80アイテム。もちろんお歯黒です(笑)。
遠い昔クロアチアから海を渡りカリフォルニアに根付いたジンファンデル。樹齢100年を超える葡萄樹も存在します。今だにやたらと濃厚で野暮ったいイメージ(笑えない)が強い品種ですが、近年新世代の生産者を中心に、古樹や冷涼な地域から多様なスタイルでフードフレンドリーな上質のジンファンデルが生産されています。
味わいのコメントは後ほど少しづつ書き込みます(苦笑)。価格は輸入元上代価格(税抜)です。出展インポーターは、アイコニック・ワイン・ジャパン、ヴィレッジ・セラーズ、大塚食品、中川ワイン、布袋ワインズ、マッシュ・フーズ、ワイン・イン・スタイルです。
Grgich Hills | |
Grgich Hills Estate Grown Zinfandel Napa Valley 2014
★ガーギッチ・ヒルズ エステート ジンファンデル ナパ・ヴァレー 2014 ¥6,300
「パリスの審判」の立役者マイク・ガーギッチ氏。97%ジンファンデル、3%プティ・シラーで、フレンチオーク旧樽で16ヶ月熟成。完全オーガニック栽培。ナパらしからぬ?繊細でドライなスタイル。
Chateau Montelena | |
Chateau Montelena Zinfandel Calistoga Napa Valley 2016
★シャトー・モンテレーナ ジンファンデル カリストガ ナパ・ヴァレー 2016 ¥6,400
同じく「パリスの審判」の立役者。自社畑のプリミティーヴォと契約畑のジンファンデルのブレンドで、アイリッシュ&フレンチ&アメリカンオークで(20%新樽)16ヶ月熟成。エレガントな赤い果実味。
The Crane Assembly | |
The Crane Assembly Disciples Red Wine Napa Valley 2016
★ザ・クレーン・アッセンブリー ディサイプルズ レッドワイン ナパ・ヴァレー 2016 ¥7,800
あのザ・プリズナーを造り上げたデイブ・フィニーの新ブランド。76%ジンファンデル、13%シャルボノ、6%グルナッシュ、5%プティ・シラー。濃厚な完熟の果実味。これぞ元祖プリズナーの味わいか。
Bedrock (画像は別日別会場) |
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Bedrock Old Vine Zinfandel California 2018
★ベッドロック オールド・ヴァイン ジンファンデル カリフォルニア 2018 ¥4,800
注目の生産者モーガン・ピーターソン。85%ジンファンデルで、残り25%はグルナッシュ、カリニャン、プティ・シラーなど。ソノマ、コントラ・コスタ、ロダイなどの産地のブレンド。是非お試しいただきたいジンファンデルの1つ。
Bedrock The Bedrock Heritage Red Wine Sonoma Valley 2018
★ベッドロック ザ・ベッドロック・ヘリテージ レッドワイン ソノマ・ヴァレー 2018 ¥8,000
130年以上葡萄栽培が続けられている歴史的な畑から(現在はピーターソン・ファミリーの自社畑です)。55%ジンファンデルで、残りは混植されている24品種を混醸。フィールド・ブレンドの興味深い味わい。
Once & Future | |
Once & Future Bedrock Vineyard Zinfandel Sonoma Valley 2017
★ワンス&ヒューチャー ベッドロック・ヴィンヤード ジンファンデル ソノマ・ヴァレー 2017 ¥8,500
「レイヴェンズウッド」の創業者ジョエル・ピーターソンが新たに立ち上げたブランド(ベッドロックを造るモーガンの父親)。85%ジンファンデルで、残り15%は24品種。フレンチオーク熟成。さすがの品格。親子の飲み比べが興味深い。
Ridge | |
Ridge Geyserville Red Wine Alexander Valley Sonoma County 2016
★リッジ ガイザーヴィル レッドワイン アレキサンダー・ヴァレー 2016
3大ジンの1つご存じリッジ。73%ジンファンデルで、残りはカリニャン、プティ・シラー、アリカンテ・ブーシュ。アメリカンオークで熟成。アレキサンダー・ヴァレー。昔も今も憧れのジンファンデルの1つ。旨い。
Ridge Lytton Springs Red Wine Dry Creek Valley Sonoma County 2016
★リッジ リットン・スプリングス レッドワイン ドライ・クリーク・ヴァレー 2016
3大ジンの1つご存じリッジ。69%ジンファンデルで、残りはプティ・シラー、カリニャン、マタロ(ムールヴェードル)。アメリカンオークで熟成。ドライ・クリーク・ヴァレー。同じく昔も今も憧れのジンファンデルの1つ。さらに旨い。
Pedroncelli | |
Pedroncelli Bushnell Vineyard Zinfandel Dry Creek Valley 2016
★ペドロンチェリ ブッシュネル・ヴィンヤード ジンファンデル ドライ・クリーク・ヴァレー 2016 ¥3,300
コスパ最高のワインを造るファミリー・ワイナリー。100%ジンファンデルで、アメリカンオーク(40%新樽)で16ヶ熟成。ベリーとスパイスの風味。創業90周年の記念ボトル。ドライ・クリーク・ヴァレー。
Quivira | |
Quivira Zinfandel Dry Creek Valley 2015
★クイヴィラ ジンファンデル ドライ・クリーク・ヴァレー 2015 ¥3,900
92,5%ジンファンデル、7,5%プティ・シラーで、ハンガリアン&フレンチ&アメリカンオーク(20%新樽)で熟成。心地良いラズベリーのアロマ。ドライ・クリーク・ヴァレー。
Dashe | |
Dashe Zinfandel Reserve Dry Creek Valley 2017
★ダッシュ ジンファンデル リザーブ ドライ・クリーク・ヴァレー 2017 ¥5,300
90%ジンファンデル、10%プティ・シラーで、フレンチオーク(20%新樽)で14ヶ月熟成。バレル・セレクションのスペシャル・キュヴェ。個人的にお気に入りのジン。ドライ・クリーク・ヴァレー。
Ridge | |
Ridge Jimsomare Zinfandel Santa Cruz Mountains 2013
★リッジ ジムソメア ジンファンデル サンタ・クルーズ・マウンテン 2013 参考品
あのモンテベロからの希少なジンファンデル。リッジでは珍しい100%ジンファンデルの1つ。品種を超えた、1つの赤ワインとして非常に素晴らしいワインだと思います。綺麗な凝縮感。長期熟成が楽しみ。
Oak Ridge | |
Oak Ridge Reserve Ancient Vine Zinfandel Lodi 2014
★オーク・リッジ リザーブ エインシェント・ヴァイン ジンファンデル ロダイ 2014 ¥4,250
“ジンファンデルの首都”と言われる古い産地ロダイ。100%ジンファンデルで、フレンチ&アメリカンオークで18ヶ月熟成。80~120年の葡萄を使用。
Spenker | |
Spenker Estate Zinfandel Lodi 2013
★スペンカー エステート ジンファンデル ロダイ 2013 ¥4,500
ロダイ3代のグロワーが造るジン。100%ジンファンデルで、フレンチ(50%新樽)&アメリカンオーク(1年使用)で20ヶ月熟成。土の風味。
Peachy Canyon (画像は別日別会場) |
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Peachy Canyon Westside Zinfandel Paso Robles 2017
★ピーチー・キャニオン ウエストサイド ジンファンデル パソ・ロブレス 2017 ¥3,800
ジンの銘醸地の1つパソ・ロブレスのパイオニア的存在。77%ジンファンデル、8%プリミティーヴォ、アリカンテ・ブーシュ、プティ・シラー。ハンガリアン&フレンチ&アメリカンオーク(30%新樽)で18け月熟成。上品な味わい。
以上ジンファンデルの銘醸地と言われる、ナパ、ソノマ、ロダイ、パソ・ロブレスからのワインでした。その他、ジンファンデルやマイナー品種の古樹を守り続ける「クライン Cline」、ナパ伝説のワイナリーを復活させたハリウッドの巨匠コッポラの「コッポラ Francis Ford Coppola」、初期のオパス・ワンに葡萄を供給したナパのトップ・グロワーの「ヘンドリー Hendry」などなど約80アイテムが並びました。(個人的には溺愛ワイナリーの「ラビットリッジ Rabbit Ridge」と「フロッグス・リープ Frog’s Leap」がなかったのが残念ですが・・・苦笑)
Ridge Lytton Springs |
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ジンファンデルはクロアチア原産で、アメリカには1820年代に持ち込まれました。そのルーツは長年謎でしたが、UC デイヴィスのキャロル・メレディス元教授のチームによるDNA 鑑定により判明されました。現在カリフォルニア州の黒葡萄栽培面積第3位。樹齢100年を超える古樹が存在します。葡萄果の成熟が不均衡で、1つの房の中に未熟果、適熟果、過熟果が混在し、これが風味の特徴に影響を与えます。また果皮は厚くなく、ピノ・ノワールよりも栽培が難しいとも言われています。一般的にアメリカンオークとの相性が良いのですが、フレンチオークを使用する生産者が増えています(強い抽出を避けるため)。プティ・シラー(タンニンや凝縮感)やカリニャン(酸味や野性味)をブレンドすることでジンファンデルの味わいがさらに引き立ちます。品質の素晴らしいジンファンデルはもちろん長期熟成が期待できます。ZAP (Zinfandel Advocates & Producers) と呼ばれる啓蒙団体が1992年より活動し、現在加盟ワイナリーは300以上です。
”カリフォルニアの魂”と言われるジンファンデル。なめたらいかんぜよ(笑)。
ジンファンデルのお話はこちらからもどうぞ・・・(ページ内のワインは全て売り切れております・・・)
【憧れのオーナーとご対面! レイヴェンズウッド】(2006年3月23日)