カリフォルニア・カルトワインの頂点に君臨するハーラン・エステートのディレクター、ドン・ウィーヴァー氏が来日しました・・・
昨日はまさにハーラン・デーとなりました(超喜)。午後(14時)からはハーラン・エステートの輸入元(株)中川ワイン主催のセミナーに参加しました。場所は帝国ホテルです。会場に入るとドン・ウィーヴァー氏がすでにいます。2006年以来の3度目のご対面です。席につこうとするとドンさんがすぐ気づいてくれて。「やあ!久しぶり!」「え!私のこと覚えてますか?」「もちろん!」ドンさん、私のこと覚えていてくれました(嬉涙)。正確にはジャイアンツのジャージを覚えててくれましたかな(笑)・・・
セミナー 4ヴィンテージをテイスティング |
テイスティングの前にドンさんからハーラン・エステート、そしてオーナーのビル・ハーラン氏についてのお話がありました。ビル・ハーラン氏のご友人が撮影したホームビデオ(ドンさんいわく・・・笑)を見ながら(ハーラン・エステートの畑や醸造所で働く人々の姿を映しています)。テイスティングは、1999年(P92)、2003年(P95)、2005年(P97)、そして今春リリースされる2009年です。「2009年はクラシックなスタイルだが、まだまだベイビー。」「2005年は冷涼な年。今非常にアロマティック。」「2003年は温暖な年(秋に熱波)。若くもなく、古くもなく。フルーツの風味。」「1999年は今から第2の熟成段階に入るところ。セカンド的アロマが変化していくところ。」とダンさん。好きなヴィンテージを1つ挙げてくださいということで・・・とりあえずここでの一番人気は1999年でした(私も1999年に一票入れました・・・)。
セミナー終了後いったん店に戻りました。一仕事終えて、再び東京へ。フレンチの大御所、京橋のシェ・イノさんに向かいます。ハーラン・エステート10ヴィンテージ垂直ディナーに参加します。もちろんドン・ウィーヴァー氏も列席します。え?会費ですか?これから3ヶ月お小遣いなしです(笑えない)。
シェ・イノ(京橋) |
10ヴィンテージは、1991年(P98)、1993年(P95)、1995年(P100)、1997年(P100)、1999年(P92)、2001年(P100)、2003年(P95)、2005年(P97)、2007年(P100)、2009年(P97)です。この中にパーカー100点ヴィンテージが4つあります(95年は再評価によりP99からP100に格上げされました)。
HARLAN ESTATE 10 Vintage Vertical Wine Tasting and Dinner |
料理に合わせ、ハーランは3アイテムづつのグループに分けられました。
★アミューズ 鯨(3つの部位をスモーク)
Crabe en gelee de consomme
★タラバガニのカクテルのコンソメゼリーかけ
Champagne Krug Grande Cuvee NV
★クリュッグ グランド・キュヴェ NV
Ravioli de homard, sauce l’Americaine
★オマール海老のラヴィオリ仕立て アメリケーヌソース
Domaine Ramonet Chassagne Montrachet 1er Cru Boudriotte 2009
★ドメーヌ・ラモネ シャサーニュ・モンラッシェ ブードリオット 2009
Foie gras chaud, sauce Perigueux
★フォアグラのソテー ペリグーソース
Harlan Estate Red Wine Napa Valley 1991
★ハーラン・エステート レッド ナパ 1991
Harlan Estate Red Wine Napa Valley 1993
★ハーラン・エステート レッド ナパ 1993
Harlan Estate Red Wine Napa Valley 1999
★ハーラン・エステート レッド ナパ 1999
いきなり素晴らしい1991年に感動。これまさに極上のボルドーです。いや、極上のボルドーを超えています。綺麗に見事に熟成しています。1993年はまだ甘い果実味が残っています。カリフォルニアとボルドーの熟成はやはり少し違うと思います。1999年はまだまだ凝縮感があり、ボリュームも残っています。99年は97年ほど評価高くないですが、99年をおすすめするワインメーカーも多いです。まだまだ若い!って感じです。シェ・イノさんのトリュフを仕込んだシフォンケーキは超美味です!最高です!これだけでも満足。持って帰りたい(笑)。
フォアグラのソテー |
Bar en croute, sauce Albert
★スズキのパイ包み焼き アルベールソース
Harlan Estate Red Wine Napa Valley 2003
★ハーラン・エステート レッド ナパ 2003
Harlan Estate Red Wine Napa Valley 2005
★ハーラン・エステート レッド ナパ 2005
Harlan Estate Red Wine Napa Valley 2009
★ハーラン・エステート レッド ナパ 2009
2003年は難しい年だったのか、まろやかで深みのあるハーランのタンニンがあまり感じられません。ヨード香。ドライなフルーツの味わい。しかしこれがスズキと抜群に合います。2005年はまだまだしっかりとしたタンニンや渋みがあります。そしてフレッシュ感さえ感じます。いきいきとした果実味です。やはり2000年代のグッド・ヴィンテージがなせる味わいなのかもしれません。2009年はまだまだ若いタンニンで、やや青味や苦味もあります。たしかにベイビー(笑)。09年も期待のヴィンテージですし、これは熟成ポテンシャル十分にあると思います。お魚にも見事に合うハーランです。あらためて井上シェフの素晴らしさを感じます。
スズキのパイ包み焼き |
Canard de Challands roti a notre facon
★シャラン産鴨のロースト シェ・イノ風
Harlan Estate Red Wine Napa Valley 1995
★ハーラン・エステート レッド ナパ 1995 P100
Harlan Estate Red Wine Napa Valley 2001
★ハーラン・エステート レッド ナパ 2001 P100
Harlan Estate Red Wine Napa Valley 2007
★ハーラン・エステート レッド ナパ 2007 P100
さてここからパーカー100点ワインに突入です。1995年はアタックがまろやかで、レッド&ブラックの心地良い果実味。美しい大人の女性を思わせます。まだまだ熟成可能です。2001年は非常にエレガント!です。これだけでは簡単な表現ですが、もの凄く高いレベルで非常にエレガントということです。抜群のバランス。それ以外の言葉が見つかりません。素晴らしいです!今日のベスト3間違いなしです。2007年は華やかさを持ちながらもまだまだタニック。01年に比べるとまだまだ若い果実味ですが、華やかで深みのあるタンニンが素晴らしいく、今飲むことも出来ます。そしてやはり長期熟成型と思わせるポテンシャルがあります。最高です!グレートです!どれも鴨ともちろんグーです!
シャラン産鴨のロースト |
Ossau-Iraty
★オッソ・イラティ(フロマージュ)
Harlan Estate Red Wine Napa Valley 1997
★ハーラン・エステート レッド ナパ 1997
2001年、2007年は凄い!と思っていたら・・・1997年は化け物(失礼)です。これはハーランの中でも別格です。他のこの世のワインを超越しています。果実味がどうの、タンニンがどうの、そんなコメント全く必要ないと思います。凄いという言葉しかありません。言葉にできません。今まで飲んだ中で最高のハーランだと思います!
10ヴィンテージ揃いました! |
Gateau de Foret- Noire
★ブラック・フォレスト(デセール)
ハーランの全てのワインに共通して言えることはそのレベルの高さ。ヴィンテージの違いを充分に楽しむことができました。そして、フレンチの巨匠井上氏のトラディショナルなお料理はハーランにドンピシャです。でも伝統的なソースや味わいの中に現代的なアレンジを加味しているところが素晴らしいです。そしてシェフソムリエ伊東氏のサービスも素晴らしかったです。この日はワインのサービス温度に徹するため、ほとんど部屋に出ることなく裏での作業でした。ドンさんも素晴らしいサービス温度だと言っていました。
ここに温かいチョコレートソースをかけると・・・なんと・・・ |
ドンさんがテーブルに来てくださいました。「どれが良かった?」「1997年は化け物です(笑)。でも今日のマイ・ベストは、2001年、そして1991年です。」「それはまさにハーランが求めるタイプ。」またまた例のジャージを取り出し、「ドンさん、ポールさん(ボンドのディレクター)はこのジャージに Go! Astoros って書きやがったんです。叱っといてください。」「了解(苦笑)。」2006年の来日の時同行したドンさんの愛娘ソフィーさんのお話をしながらまたまた記念撮影しました。「ソフィーちゃんに是非是非よろしくお伝えください。」「了解(苦笑)」ちなみにソフィーちゃんはSFジャイアンツの大ファンで、バリー・ボンズがお好きだったのです。もちろんジャージにはソフィーちゃんのサインもございます。
ハーランが求めるものは、ブランド・イメージの味わいではなく、“ハーランの素晴らしい畑の個性、土地の風味”を表す味わいにあります。最新ヴィンテージの2009年は、ビル・ハーラン氏がオークヴィルに土地を購入して25周年になる記念のヴィンテージです。その土地はまさに森だったとか。購入した土地は100ha。そのうち畑はわずか16haほどです。ヒルサイドの畑の土壌は非常に多様性で、あらゆる方向を向いた区画がたくさんあります。植樹比率は、70%カベルネ・ソーヴィニヨン、20%メルロー、8%フラン、2%プティ・ヴェルドです。
20年くらいでハーランがヘタるわけがありません。以前ドン・ウィーヴァー氏はこう語りました。「我々は30年先を見越してワインを造っている。」ちなみに、公式テイスティングでもハーランのワインが複数本出ることはかつてなかったとのこと。しかも今回は4ヴィンテージです。これからもないだろうとのことです。ましてや正規蔵出しワインが10ヴィンテージも出るなんて、世界で初めてのことです。これもこれからも絶対ないだろうとのことです。ドン・ウィーヴァー氏自身も興奮していましたし(笑)。以前オパス・ワンのファースト・ヴィンテージから当時の最新ヴィンテージまでの21ヴィンテージを垂直テイスティングしたことがありますが、今回はそれ以上の感動&感激でした。ディナー中は夢なら醒めないで~って心境でした(笑わない)。もう2度とない、2度とありえない最高のディナーでした。
FOUNDED: 1984
PROPRIETOR: H.William Harlan and Family
Co-Founder of Pacific Union Company
Managing Partner of Meadowood Napa Valley
Founder of BOND and The Napa Valley Reserve
STAFF: Director of Winegrowing: Bob Levy
Winemaker: Cory Empting
Managing Director: Don Weaver
Vineyard Operations: Mary Hall Maher
THE VISION: To produce a California “First Growth” from the hills of Oakville
THE WINE: first vintage produced: 1987 (second leaf)
first commercial vintage: 1990, released January 1996
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