元スクリーミング・イーグルのワインメーカー、アンディ・エリクソン氏と、エリクソン氏の奥様で、やはりスクリーミング・イーグルで栽培を担当していたアニー・ファヴィアさんが初来日しました。
アンディ・エリクソン氏は大学時代のヨーロッパ留学でワインに出会い、ワイン造りの道へ進むことを決意しました。ニュートンでジョン・コングスガードに出会い、彼の才能は一気に開花しました。ハーラン・エステートでアシスタント・ワインメーカーを務め、映画「モンドヴィーノ」に登場したスタッグリン・ファミリーでワインメーカーを務めました。アリエッタ、ハートウェル、ホナタでもワイン造りに携わりました。そして2006年ハイジ・バレットの後任としてスクリーミング・イーグルのワインメーカーに任命されました。彼が造り上げた2007年ヴィンテージのスクリーミング・イーグルは久しぶりにパーカー100点を獲得しました。2011年スクリーミング・イーグルを離れましたが、現在オヴィッド、そしてダラ・ヴァレのワインメーカーを務めます。物静かな方ですが、ナパ・ヴァレーで500以上のワイン・ブランドの育成に携わってきた非常に情熱的な方です。
アニー・ファヴィアさんはフランス留学でワインを学び、大学卒業後ニュートンでやはりジョン・コングスガードに出会い、彼の下で醸造を修業しましたが、その後4大女性醸造家のキャシー・コリソンに出会い、栽培こそ自分の生きる道であることを知り栽培の道へ進みました。ナパのトップ・ヴィンヤード・マネージャー、デヴィッド・エイブリューの下で11年間栽培に携わりました。その間、スクリーミング・イーグルの栽培も担当しました。彼女は特にカベルネ・フランを愛し、その栽培に情熱を傾けています(カベルネ・フランの栽培はとても難しいが、そこに非常に魅力を感じるとおっしゃっていました)。バイオダイナミックについてもいろいろとお話ししてくださいました。
2003年アンディ・エリクソン氏は奥様のアニー・ファヴィアさんと「Favia ファヴィア」を立ち上げました。セカンド的存在の「Leviathan リヴァイアサン」も非常に魅力的なワインです。リヴァイアサンはセカンド的存在ながら、サンフランシスコ・クロニクル紙で“次世代カルトワイン”に選ばれました。
ファヴィア、リヴァイアサンの正規輸入元(株)中川ワイン販売さんのご招待で、日本フレンチ界の巨匠井上旭氏がオーナーシェフを務めるグラン・メゾン「シェ・イノ」でお2人を囲んでディナーを頂戴しました。
以下お料理とワインです・・・
Ooeuf bruille au oursin avec caviar
☆ウニ風味のスクランブルエッグ、キャヴィア添え
Schramsberg Blanc de Blancs Sparkling Wine Napa Valley 2008
★シュラムスバーグ ブラン・ド・ブラン スパークリングワイン 2008
Ravioli de homard, sauce americaine
☆オマール海老のラヴィオリ、アメリケーヌソース
Favia Cerro sur Red Wine Napa Valley 2007
★ファヴィア セロ・スール レッド ナパ 2007
Beignet de foie gras
☆フォアグラのベニエ
Favia Cabernet Sauvignon Napa Valley 2008
★ファヴィア カベルネ・ソーヴィニヨン ナパ 2008
Lotte poelee, sauce vin rouge
☆アンコウのポワレ、赤ワインソース
Favia Rompecabezas Red Wine Amdor Sierra Foothills 2009
★ファヴィア ロンペカベサス レッド アマドール 2009
Chevreuil, Grand-Veneur
☆エゾ鹿のグラン・ヴヌール風
Favia Quarzo Syrah Amador Sierra Foothills 2009
★ファヴィア クアルゾ シラー アマドール 2009
Favia Quarzo Syrah Amador Sierra Foothills 2005
★ファヴィア クアルゾ シラー アマドール 2005
Mousse de chocolat a l’orange
☆オレンジ風味のチョコレートのムース
セロ・スールはスペイン語で“南の丘”です。自社畑からの66%カベルネ・フラン、34%カベルネ・ソーヴィニヨンです。ボルドー右岸のワインを愛するエリクソン氏が造るこのワインは“ナパのオーゾンヌ”でしょうか。非常にエレガントなアロマを持ちます。カベルネ・ソーヴィニヨンは93%カベルネ・ソーヴィニヨン、7%プティ・ヴェルドです。熟した赤黒い果実味と魅力的な風味を持ちます。ロンペカべサスはスペイン語で“(ジグソー)パズル”です。43%グルナッシュ、37%ムールヴェードル、20%シラーです。600リッターのコンクリート製卵型の容器で2年間熟成。美味です。クアルゾはイタリア語で“クオーツ(水晶)”です。土壌に含まれた水晶から名付けられました。若干のヴィオニエがブレンドされているようです。エキゾチックです。
ファヴィアのお話はこちらからどうぞ・・・
【またまたレアなカベルネです!】(2011年6月14日配信)
ロンペカべサス、クアルゾはこれから日本入荷の予定です・・・
こちらもエリクソン氏が造り出した「Ovid オーヴィッド」です。オーヴィッドの畑はやはりデヴィッド・エイブリュー氏からアドバイスを受け、ミシェル・ロランがコンサルタントとして参加しています。2005年ヴィンテージでデビュー。ワインスペクテーター誌は「最もエキサイティング」とコメントしました。
オーヴィッドのお話はこちらからどうぞ・・・
そしてこちらもエリクソン氏が造り出した、私のお気に入り「Dancing Hares ダンシング・ヘアー」です。やはり畑はデヴィッド・エイブリューが担当し、ミシェル・ロランがコンサルタントとして参加しています。残念ながら日本未入荷ですが、私が個人的に所有するボトルをシェ・イノさんに持ち込み、サイン頂戴してきました。アニーさんがこのボトルを見て、「ここも私が葡萄を管理したのよ」っておっしゃっていました。
シェ・イノさんでは奥の個室を貸切です。いつもはスクリーンで隠れている調理場ですが、特別に見せていただきました(喜)。ちょうど古賀シェフが本日のメインディシュのエゾ鹿(グラン・ヴェール風)を用意しているところでした。
さあ~て、いつものようにジャイアンツのジャージにサインのおねだりです(笑)。エリクソン氏は、お知り合いのダン・ウィーヴァー(ハーラン・エステートのディレクター)、ポール・ホッブス、スタッグリンご夫妻のサインを見てニヤニヤしてました。アニーさんはコネチカット州出身です。「もしかしてヤンキースのファンですか?」と尋ねたところ、「私の両親はもちろんヤンキースのファンよ!」って大笑いされました。頂戴したサインはこちらです・・・
(Fear the Beard! は、ジャイアンツのクローザー、ブライアン・ウイルソンが相手バッターに威圧感を与えるために長々と髭を伸ばしたことに由来する言葉です。)
ちょっとクールで物静かなアンディ・エリクソン氏と、情熱的にお話をしてくれたチャーミングなアニー・ファヴィアさんでした。日本には2日間の滞在、明日は早朝に韓国へ飛び、韓国も2日間の滞在だそうです・・・