２０２１年に日本初入荷した「メートル・ド・シェ」から創業者の２人が来日しました。輸入元が主催した試飲会に参加しました。

メートル・ド・シェは、カリフォルニアの自然派？の先駆者のスコリウムで長きに亘りアシスタントワインメーカーを務めたアレックス・ピッツと、レオ・スティーンでワイン醸造を学び、またミシュラン３★のメドーウッドでソムリエをしていたマーティン・ウインターによって２０１２年に設立。２０１９年にサンフランシスコ・クロニクル紙で “最も注目すべき醸造家“ に選ばれています。

自根の古樹の葡萄や、オーガニックはもとよりドライ・ファーミングの畑の葡萄を見つけ出し、人為的介入を最小限に抑えた醸造を行っています。葡萄品種本来が持つ個性を描き出しています。カリフォルニアらしさを持ちながら繊細な味わいに仕上げています。ラベルに描かれたのは、ローマ神話に登場する自由の女神リーベルタースと、カリフォルニア州旗にも描かれているハイイログマ（グリズリーベアー）です。メートル・ド・シェはボルドーで醸造責任者を意味します。栽培や醸造の知識を共有してくれた恩師がいたからこそ現在の自分達がいるという意味を表しているようです。現在ベイエリアのバークレーに拠点を置きます。

テイスティングはこちらです。（価格は輸入元上代税抜き価格です。）

- Maitre de Chai -

　Chenin Blanc Wilson Vineyard Sparkling Wine NV
★シュナン・ブラン　ウイルソン・ヴィンヤード　スパークリングワイン　ＮＶ　￥５，５００
　Chenin Blanc “Kierkegaard” Wilson Vineyard Clarksburg 2021
★シュナン・ブラン　”キェルケゴール”　ウイルソン・ヴィンヤード　クラークスバーグ　２０２１　￥５，２００
　Sauvignon Blanc “Herron” Sonoma Mountain 2019
★ソーヴィニヨン・ブラン　“ヘロン”　ソノマ・マウンテン　２０１９　￥４，６００
　Sauvignon Blanc Reserve Ellison Vineyard Sonoma Mountain 2020
★ソーヴィニヨン・ブラン　リザーブ　エリソン・ヴィンヤード　ソノマ・マウンテン　２０２０　￥５，９００
　Zinfandel Rose “Buckaroos” Clements Hills 2021
★ジンファンデル　ロゼ　“バッカルース”　クレメンツ・ヒルズ　２０２１　￥４，８００
　Zinfandel “Stampede” Clements Hill 2022
★ジンファンデル　“スタンピード”　クレメンツ・ヒルズ　２０２２　￥６，２００
　Red Table Wine (Gr,CS,Zn) California 2021
★レッド・テーブルワイン　（グルナッシュ、ジンファンデル、カベルネ・ソーヴィニヨン）　カリフォルニア　２０２１　￥４，７００
　Cabernet Sauvignon Gala Mountain Napa Valley 2020
★カベルネ・ソーヴィニヨン　ガラ・マウンテン　ナパ・ヴァレー　２０２０　￥８，２００

シュナン・ブランのスパークリングワインはクラークスバーグ南部の畑から。有機栽培畑です。ステンレスタンクと旧樽で発酵。瓶内２時発酵後６ヶ月熟成。２１年７月にデゴルジュマン。ドサージュは 2g/L です。実質２０２０年ヴィンテージです。ほどよいガス感で非常に爽やかな味わいです。シュナン・ブランは同じくウイルソン・ヴィンヤードから。マーティンの師匠のレオ・スティーンからこの畑を紹介され契約しました。デンマークの哲学者セーレン・キェルケゴールが名前の由来とか。旧樽で発酵そして熟成。旨味ありますが非常に爽やかです。ロワールに負けない（苦笑）お味です。ソーヴィニヨン・ブランはソノマ・マウンテンに位置するエリソン・ヴィンヤードから。元々７０～８０年代に自然派？のベンジガー・ファミリー・ワイナリー Benziger に供給していた畑です。１９８９年にフィリス・ヘロンが購入。旧樽で発酵。澱と共に熟成。酸と共にふくよかな味わいが共存します。リザーブ・ソーヴィニヨン・ブランも上記ヘロンと同じくエリソン・ヴィンヤードから。２０２０年にエリソン・ファミリーが購入しました。一部を除梗。土着酵母で１８日間醸しを行い、旧樽で１７ケ月熟成。色合いも濃く、非常にふくよかな味わいです。ジンファンデル・ロゼは、１９２０年代に植樹されたスタンピード・ヴィンヤードから。今でも自根の葡萄が存在します。ステンレスタンクと旧樽で６ヶ月熟成。ふくよかですが、甘味を抑えた旨味です。バッカルースはアメリカ南部の言葉で、カウボーイを意味します。１９４２年にこの畑の隣でロデオの大会が開催されたことに由来するようです。

ジンファンデルは同じくスタンピード・ヴィンヤードから。ベッドロックのモーガン・ピーターソンに紹介された畑とのことです。そして醸造はリッジのポール・ドレイバーにインスピレーションを受けたとか。８５％ジンファンデルで、残りはアリカンテ・ブ―シュ、ムールヴェードル、プティ・シラー、などです。いわゆるフィールド・ブレンドのスタイルです。ジンファンデルは自根です。ふくよかですが、繊細な味わいです。美味なジンファンデルです。レッド・テーブルワインは、グルナッシュ、ジンファンデル、カベルネ・ソーヴィニヨンのブレンドです。ロダイやサクラメント付近の地中海性気候で育った葡萄を使用。ラズベリー、プラムの華やかなアロマ。ふくよかですが重くなく、綺麗に抽出された果実味です。カベルネ・ソーヴィニヨンはナパのマウント・ジョージの麓の畑から。サン・パブロ湾からの冷風の影響を受ける、標高３００ｍの南西向きの畑です。１９９２年に植樹。現在ビオデナミ栽培に転換しています。旧樽で１６ヶ月熟成。無濾過そして無清澄。こちらもふくよかですが重くないです。どのワインもカリフォルニアワインらしい果実味を持ちますが、重くなく、バランスの取れた旨味を持ちます。個人的にはシュナン・ブランとジンファンデルが印象に残りました。

初めてのご対面です。「ウサギのラベルだったらたくさん買うんだけどな」と言ったら、お２人は苦笑してました。（左がアレックスさん、右がマーティンさんです。）

#Maitrede Chai Wine
#Chenin Blanc
#Zinfandel
#California Wine

【コテコテの自然派ではありませんが・・・繊細で優しい旨味を持つワインです・・・】（２０２１年７月２９日）