2017年に平林園枝さんが立ち上げた「シックス・クローブズ」です。園枝さんは醸造が一段落して凱旋里帰りしております。輸入元主催のワインメーカーズ・セミナーに参加しました。
平林園枝さんはニューヨークでの商社勤務時代にワインに目覚め醸造家の道へ。UC ディヴィス卒業後、ニュージーランドやチリで修行し、カリフォルニアに戻りました。カリフォルニアでは、あのリトライやマサイアソンで経験を積みました。そして2017年に1つのシャルドネを造り上げました。ちなみにラベルは先祖の屋号であった六丁字からデザインされました。
2017年と2020年の大規模な森林火災。そしてパンデミック。そしてインフレ。園枝さんから、ここ数年のカリフォルニアのワイン業界の状況、そしてここ数年のヴィンテージ(天候や収穫状況)のお話をお聞きしました。
2020年は山火事の影響で葡萄を供給してくれる生産者が見つかりませんでした。2020年はリンダ・ヴィスタ・ヴィンヤードのシャルドネだけの生産となりました。2021年は干ばつが続いていたために葡萄の生産量が少なく、やはり葡萄を供給してくれる生産者が見つかりませんでした。2021年はリンダ・ヴィスタ・ヴィンヤードからの供給もありませんでした。2021年は、日系人ワインメーカーのバイロン・コスゲ氏(元セインツベリーのワインメーカー)の紹介でメンドシーノ・カウンティのアルダー・スプリングス・ヴィンヤードの葡萄を入手することができました。
試飲ワインはこちらです。(価格は輸入元税抜き上代価格です。)
-SIX CLOVES WINES-
Linda Vista Vineyard Chardonnay Oak Knoll Napa Valley 2020
★リンダ・ヴィスタ・ヴィンヤード シャルドネ オークノール ナパ・ヴァレー 2020 ¥7,400
Alder Springs Vineyard Chardonnay Mendocino County 2021
★アルダー・スプリングス・ヴィンヤード シャルドネ メンドシーノ・カウンティ 2021 ¥7,400
Alder Springs Vineyard Pinot Noir Mendocino County 2021
★アルダー・スプリングス・ヴィンヤード ピノ・ノワール メンドシーノ・カウンティ 2021 ¥9,000
”Magnolia” Red Blend Wine Carneros Sonoma County 2019
★”マグノリア” レッドブレンドワイン カーネロス ソノマ・カウンティ 2019 ¥7,000
ナパのトップ・ヴィンヤード・マネージャーのスティーブ・マサイアソンが栽培を行うリンダ・ヴィスタ・ヴィンヤードのシャルドネです。シックス・クローブズは2018年からこの畑の葡萄を使用しています。2020年リンダ・ヴィスタ・ヴィンヤード・シャルドネは山火事の前に収穫した葡萄で、100%全房プレスで樽発酵しました。ハンガリアンオークとフレンチオーク(29%新樽)で10ヶ月熟成。100%マロラクティック発酵。清澄なし。濾過なし。柑橘系果実のアロマ。軽いオークの風味。(全く重くない)華やかでエレガントな味わいです。園枝さんはステンレスタンクでの発酵より樽での発酵のほうがお好きのようです。ステンレスタンクでの発酵の還元的な味わいがあまりお好きではないようです。そして初めての醸造となる、メンドシーノ・カウンティのアルダー・スプリングス・ヴィンヤードです。メンドシーノ・カウンティというとアンダーソン・ヴァレーという生産地が有名ですが、アルダー・スプリングス・ヴィンヤードはさらに北に位置します。そして海に近いところです。古くからカリフォルニアワインを知る方はご存じだと思いますが、この畑を有名にしたのはパッツ&ホールやマーカッシンです。現在では、リース、ベッドロック、クルーズ・ワイン、パックスなどの若い注目の生産者がこの畑の葡萄を使用しています。2021年アルダー・スプリングス・ヴィンヤード・シャルドネは、クローン76(シャンパーニュ・クローン)と95(ブルゴーニュ・クローン)で、100%全房プレスで樽発酵しました。ハンガリアンオークとフレンチオークの古樽で10ヶ月熟成。酸を残したいためマロラクティック発酵は40%ほどで。清澄なし。濾過なし。こちらも柑橘系果実の若いアロマで、まだ若いために秘めたしたたかな旨味を感じます。2021年アルダー・スプリングス・ヴィンヤード・ピノ・ノワールは1993年に植樹されたクローン459です。栽培が難しく、色や風味が淡いため、カリフォルニアではあまり植えられていないクローンとのことです。プラスチックビンという容器で50%を全房発酵。フレンチオークの古樽で10ヶ月熟成。軽い濾過。紫が見える淡いガーネット色。シダーやマッシュルームの風味。前面に強く出てくる味わいではなく、複雑味を感じながらもしたたたな旨味を見せます。ブルゴーニュを思わせる味わいです。カリフォルニアらしからぬピノ・ノワールです(苦笑)。生産量は僅か157ケースです。レッドブレンドワインは初めての生産です。葡萄はソノマのカーネロスに位置する2つのオーガニック栽培の畑から。ソノマ・カーネロスでは珍しいカベルネ・ソーヴィニヨンとメルローのブレンド(50%づつ)です。プラスチックビンにて発酵。フレンチオークの古樽で9ヶ月熟成。清澄なし。濾過なし。カシスやブラックチェリーのアロマ。赤黒系果実の果実味はなめらかでふくよかで、しかし全く重くならず、冷涼地の葡萄ならではの味わいです。生産量は僅か112ケースです。故郷の長野県に今も残る樹齢100年のマグノリアにちなんで命名しました。
セミナーが終わりご挨拶に。もう何度目のツーショット写真か分かりません(苦笑)。今年の2月にもお会いしましたし(苦笑)。園枝さんは「ジャイアンツだからオレンジね」と、アルダー・スプリングス・ヴィンヤード・ピノ・ノワールのボトル(オレンジっぽいラベル)を手にして撮影です(苦笑)。
【 California Wines ALIVE Tasting 2023 】(2月28日)
#Six Cloves Wines
#シックス・クローブズ