カリフォルニア最上最強の、パーカー５★のジンファンデル生産者の 「Turley ターリー・ワイン・セラーズ」から、創業オーナーのラリー・ターリーの長女でセールスディレクターを務めるクリスティーナ・ターリーさんが初来日しました。

（ターリーのワインが日本市場に登場してから２０年以上が経ちますが、ワイナリー関係者が公式に来日しセミナーを開くのは初めてです。）

創業者はラリー・ターリー。ラリー・ターリーはジョン・ウイリアムズと「フロッグス・リープ」を立ち上げましたが、その後フロッグス・リープをジョン・ウイリアムズに委ね、１９９３年に「ターリー・ワイン・セラーズ」を立ち上げました。スタートはラリーの姉である（カリスマ・ワインメーカーと言われた）ヘレン・ターリーがワインメーカーを務めましたが、その後エーレン・ジョーダン（現フェイラ・ワインズ）が引き継ぎました。ターリーは、オーガニックそしてドライ・ファーミングのジンファンデルの古樹に拘ります。完熟した葡萄は低温浸漬で色素や複雑味を引き出し、天然酵母で発酵、そしてフレンチオークとアメリカンオークで熟成。無清澄そして無濾過。そのワインのほぼ全てがアルコール度数１５％を越えますが、その味わいは優雅でかつ複雑味があります。

クリスティーナさんからジンファンデルそしてターリー・ワイン・セラーズについてお話がありました。クリスティーナさんはターリー４姉妹の長女で、２０歳でニューヨークへ出向き、最終的にはニューヨークのトップ・レストランでサーティファイド・ソムリエとして活躍された方です。ワイン知識はもちろん豊富で、お喋りもとても上手です。

ジンファンデルは、クロアチアを起源とする葡萄がウィーンのシェーンブルン帝国のコレクションを経て１９２９年にアメリカに到着。アメリカでジンファンデルと名付けられました。その後ゴールドラッシュと共にカリフォルニアへ。ターリーの創業者ラリー・ターリーは救急病棟で２０年以上勤めたベテラン医師です。「（致命傷の人でも）必ず生き返らせる」という信念が葡萄にも。傷ついたジンファンデルの古樹を守り育てました。カリフォルニアには現在樹齢１５０年を超えるジンファンデルが存在します。

長きに亘りターリーでワインメーカーを務めたエーレン・ジョーダンを引き継いだのがティーガン・パサラクア。２００３年に収穫インターンとしてターリーに参加。２０１３年にワインメーカーに就任しました。世界中の畑と古樹を知り尽くすという、栽培にも非常に詳しい方です。２０１５年にサンフランシスコ・クロニクル紙でモーガン・ピーターソン（ベッドロック）と共に ”ワインメーカー・オブ・ザ・イヤー” に選出されました。

（ティーガン・パサラクア、モーガン・ピーターソン、ボブ・ビアレらは、２０１１年に古い葡萄畑の保存に特化した非営利団体 History Vineyard Society を設立しました。ヒストリック・ヴィンヤードは、樹齢５０年以上で、元の植樹の少なくとも 1/3 が残っている古い葡萄畑を定義します。）

テイスティングはこちらです・・・（価格は輸入元上代税抜価格です・・・）

- Turley Wine Cellars -

　White Zinfandel Rose California 2021
★ホワイト・ジンファンデル　ロゼ　カリフォルニア　２０２１　参考品
　Rinaldi Vineyard Zinfandel Amodor County 2020
★リナルディ・ヴィンヤード　ジンファンデル　アマドール・カウンティ　２０２０　￥１０，０００
　Pesenti Vineyard Zinfandel Paso Robles 2021
★ペセンティ・ヴィンヤード　ジンファンデル　パソ・ロブレス　２０２１　￥１０，０００
　Kirschenmann Vineyard Zinfandel Lodi 2021
★キルシェマン・ヴィンヤード　ジンファンデル　ロダイ　２０２１　￥１０，０００
　Dragon Vineyard Zinfandel Howell Mountain Napa Valley 2021
★ドラゴン・ヴィンヤード　ジンファンデル　ハウエル・マウンテン　ナパ・ヴァレー　２０２１　￥１２，０００
　Estate Vineyard Petite Syrah Napa Valley 2012
★エステート・ヴィンヤード　プティ・シラー　ナパ・ヴァレー　２０１２　参考品

ホワイト・ジンファンデルと言えば・・・１９７０年代に登場したやや甘口？のホワイト・ジンファンデルは１０年以上に亘り米国で売上 No.1 を記録したワインでした。現在はいまいち人気なさそうですが（苦笑）。ターリーのホワイト・ジンファンデル・ロゼは、エステート・ヴィンヤード（ナパ・ヴァレー）とパソ・ロブレスとアマドールの葡萄から。１００％ジンファンデルです。ブリックス１９度で早めに摘み取り、ドライなスタイルに仕上げました。約６時間果皮に寝かせてからタンクで発酵。フレンチオーク古樽で６ヶ月熟成。ストロベリーやレッドチェリーの風味ですが、爽やかでドライな口当たりです。（大昔のホワイト・ジンファンデルとは別物です。。。）

リナルディ・ヴィンヤード・ジンファンデルは、アマドール・カウンティ（AVA フィドルタウン）の標高の高い畑から。１８６０年代の古樹が存在します。砕けた花崗岩土壌。株仕立てで乾燥農法（ドライ・ファーミング）で栽培されています。畑はジンファンデル主体で、ミッション、カリニャン、グルナッシュなどのフィールド・ブレンドです。このワインは１００％ジンファンデルで、天然酵母で発酵。８０％フレンチオーク、２０％アメリカンオークで１５ヶ月熟成（２０％新樽）。無清澄無濾過。クランベリーやワイルドストロベリーのアロマ。やや色合いが薄く華やかな果実味ですがタンニンはしっかりしています。ペセンティ・ヴィンヤード・ジンファンデルは、今やジンファンデルの銘醸地として知られるパソ・ロブレス（AVA ウィロークリーク）から。石灰質土壌。昔海であったことが分かる鯨の遺跡の岩が見られるとか。１９２０年代に植樹。株仕立て。オーガニック認定で乾燥農法。畑はジンファンデル主体で、カリニャン、グルナッシュなどのフィールド・ブレンドです。このワインはジンファンデル主体のフィールド・ブレンドで、天然酵母で発酵。８０％フレンチオーク、２０％アメリカンオークで１５ヶ月熟成（２０％新樽）。無清澄無濾過。クランベリーやレッドチェリーのアロマ。はつらつとした赤い果実味で、酸もしっかり感じます。ドライな仕上がり。キルシェマン・ヴィンヤード・ジンファンデルは、やはり古樹が多く存在するロダイから。砂質ローム土壌。１９１５年に植樹。株仕立てで乾燥農法。この畑はワインメーカーのティーガン・パサラクアが現在所有する畑です。ここは気温は上がりますが、近くを流れるモケルン川が冷気をもたらします。畑はジンファンデル主体で、モンドゥース・ノワール、サンソー、カリニャンなどのフィールド・ブレンドです。このワインはジンファンデル主体のフィールド・ブレンドで、天然酵母で発酵。８０％フレンチオーク、２０％アメリカンオークで１５ヶ月熟成（２０％新樽）。無清澄無濾過。ワイルドストロベリーのアロマ。ミントなどのハーブ、そしてスパイスも。シルキーな口当たりとしなやかな果実味。ジンファンデルらしからぬ（苦笑）非常にエレガントな味わいです。

ドラゴン・ヴィンヤード・ジンファンデルは、ハウエル・マウンテンの標高６５０ｍに位置するターリーの自社畑です（ターリーはハウエル・マウンテンの標高の低い場所にもう１つ畑を所有します）。火山性土壌。２０００年に植樹。オーガニック認定。このワインは１００％ジンファンデルで、天然酵母で発酵。８０％フレンチオーク、２０％アメリカンオークで１５ヶ月熟成（２０％新樽）。無清澄無濾過。カシスやブラックベリーのアロマ。ハーブやスパイスの風味が印象的。非常に色合いの濃い、複雑味のある果実味です。ラリー・ターリーが最も好きなワインとのことです。ファースト・ヴィンテージは２００２年です。最後にバック・ヴィンテージのエステート・ヴィンヤード・プティ・シラーです。プティ・シラーは１８８０年代にアメリカに到着し、１８９０年代にナパ・ヴァレーに植樹されたとか。１９６６年に植樹。オーガニック認定で乾燥農法。天然酵母で発酵。８０％フレンチオーク、２０％アメリカンオークで１５ヶ月熟成（２０％新樽）。無清澄無濾過。濃厚な色合い。（嫌味ではないが）少しグリーンな風味を感じます。ブルーベリーの凝縮した果実味はまたまだタンニンが強いです。ターリーの最上級ワインは３０年熟成すると言われていますが、これも長期の熟成後が楽しみなワインです。ターリーは、現在カリフォルニア州全域の５０の畑の個性を表現するため、全く同じ醸造方法で５０のワインを造り出しています。

ナパ・ヴァレーと言えばやはりカベルネ・ソーヴィニヨン。たしかにカベルネ・ソーヴィニヨンに適した土地（土壌やテロワール）ではあります。残念ですが、ナパ・ヴァレーではジンファンデルを引き抜き、カベルネ・ソーヴィニヨンに植え替えられているというのが現状。ですが、なんとターリーでは、エステート・ヴィンヤードのカベルネ・ソーヴィニヨンを引き抜き、ジンファンデルを植えているとか。

ターリーのユニークなボトルはラリー・ターリーがデザインしたようです。カベルネ・ソーヴィニヨンにはボルドー型ボトルがあり、ピノ・ノワールにはブルゴーニュ型ボトルがあり。ならばアメリカのジンファンデルにもジンファンデルだけの（ジンファンデルと分かる）ボトルがあるといいんじゃないかと。また、キャプシールの上部には４つの星が描かれています。これはラリー・ターリーの４人の愛娘を表しているとのことです。そしてボトルの底にも星が１つ描かれているのです（この星については興味のある方には個人的にお伝えします・・・）。

ジンファンデルこそがカリフォルニアのテロワールを表現できる語れる葡萄なのです。ジンファンデルの歴史と文化を守り、ジンファンデルを保護する、ジンファンデル愛に溢れるターリー・ワイン・セラーズです。今年創業３０周年を迎えました（一番最初の画像がターリーと３０周年を表したスペシャルヴァージョンのロゴです・・・）。

さて、少し早く会場に到着したのでセミナーまで少し時間があります。先にご挨拶しちゃいましょう。「カリフォルニアワインに特化した小さいショップをしてます。私のシャツのサイン頂戴できますか？」と例のジャイアンツのジャージを取り出しました。「オオ！ジャイアンツ！（苦笑）」「これがエーレン・ジョーダンさんのサインで、これがトーマス・リヴァース・ブラウンさんのサインです。」「私のファミリーよ（苦笑）。」と。「これがジョエル・ピーターソンさんのサインで、これがモーガン・ピーターソンさんのサインです。」「マブダチよ（みたいな苦笑）。」と。そしてジョンさん（ジョン・ウイリアムズ）のサインを見つけて大笑いするクリスティーナさんでした。サインは、ターリーで長きに亘りワインメーカーを務めたエーレン・ジョーダンさん、そしてエーレンさんの元でワイン造りを学んだトーマス・リヴァース・ブラウンさんのそばに。袖の縫い目のところです。ターリーくるくるっていう素敵なサインです（苦笑）。

そういえば、昔ターリー訪問を申し込んだんだけど、ちょうどタイミング悪くて断られたのを思い出しました（苦笑）。ちなみに私、ターリーのボトルを見るとなぜかハクション大魔王の壺を思い出します。turley の y の文字がビヨヨ～ンと伸びているのがこれまたハクション大魔王の髭に見えてしまいます（大苦笑）。

#Turley Wine Cellars
#Zinfandel #Petite Syrah
#Napa Valley

【大幅な値上げでも取り扱いは止めません・・・溺愛ですから（苦笑）・・・】（２０２３年３月１１日）