ご存じ溺愛ワイナリー(苦笑)の「フロッグス・リープ」のオーナー兼ワインメーカーのジョンさんこと、ジョン・ウイリアムス氏が来日しました。前回2017年の来日から6年振りの来日です。本日輸入元主催のセミナーに参加してきました。
Frog’s Leap Winery Rutherford Napa Valley |
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カエルが元気にジャ~ンプしているラベルで有名な、当店ではもうお馴染みのワイナリーの「フロッグス・リープ」。フロッグス・リープは、1981年にかつて蛙の養殖場であったセントヘレナのミル・クリーク沿いに設立されました。100年前この養殖場の蛙はサンフランシスコのグルメ・レストランに1ダース33セントで売られていたそうです。1994年にラザフォードに移転し、1998年から本格的にオーガニック栽培を始めました。現在ラザフォードにあるワイナリーは、もともと1884年にワイナリーとして建てられた建物で、レッドバーンと呼ばれる歴史ある建物です。ワイナリーの屋根には「風見鶏」ならぬ「風見蛙」がおります(苦笑)。
ジョンさんからワイナリーとワインについてお話がありました。フロッグス・リープのミッションは、①責任ある農場経営をすること、②維持可能な生産をすること、➂テロワールを活かした喜びを分かち合えるワインを造ること、です。現在フロッグス・リープはオーガニック、バイオダイナミック、そしてドライ・ファーミングを実践します。この3つのコンビネーションから誕生するワインは、低アルコールで繊細で、かつしっかりとしたストラクチャーを持ちます。そして長期の熟成が可能なワインです。
Mr. John Williams | |
テイスティングはこちらです・・・(価格は輸入元税抜き上代価格です・・・)
“Concrete Aged” Sauvignon Blanc Rutherford Napa Valley 2020
★”コンクリート・エイジド” ソーヴィニヨン・ブラン ラザフォード ナパ・ヴァレー 2020 ¥14,000 初リリース
Sauvignon Blanc Napa Valley 2021
★ソーヴィニヨン・ブラン ナパ・ヴァレー 2021 ¥5,900
“Shale and Stone” Chardonnay Napa Valley 2020
★”シェール・アンド・ストーン” シャルドネ ナパ・ヴァレー 2020 ¥6,800
Zinfandel Napa Valley 2020
★ジンファンデル ナパ・ヴァレー 2020 ¥7,000
Estate Grown Cabernet Sauvignon Rutherford Napa Valley 2018
★エステート・グロウン カベルネ・ソーヴィニヨン ラザフォード ナパ・ヴァレー 2018 ¥13,000
“Williams Rossi” Cabernet Sauvignon Rutherford Napa Valley 2018
★”ウイリアムス・ロッシ” カベルネ・ソーヴィニヨン ラザフォード ナパ・ヴァレー ¥27,000 初リリース
フロッグス・リープと言えばやはりソーヴィニヨン・ブラン。フロッグス・リープの初ワインは500ケースのソーヴィニヨン・ブランで、ニューヨーク・タイムズで “a Prince of a Wine” と評されました。ソーヴィニヨン・ブランの新アイテムが誕生しました。コンクリート・エイジド・ソーヴィニヨン・ブランはコンクリートタンクで発酵そして熟成させたソーヴィニヨン・ブランです(1つのコンクリート・エッグと3つのコンクリート・キューブを使用)。葡萄は、2007年にフロッグス・リープが取得した、歴史ある畑のロッシ・ヴィンヤード(1886年植樹)の Old Cane Block から40%。このオールド・ケインは(フロッグス・リープ設立年でもある)1981年に植樹されたソーヴィニヨン・ブランです。そしてフロッグス・リープのドライファーム造りをアドバイスしたフランク・リーズが所有するオーガニック栽培のシャベズ・リード・ヴィンヤードの Old Long Rows Block から60%。100%ソーヴィニヨン・ブラン。3時間のスキンコンタクトを行い、自然酵母で発酵(約1ヶ月)。硫黄による安定化を最小限に抑え、澱と一緒に11ヶ月熟成。アンフィルターそしてアンファイン。さらに1年間瓶熟成しました。残糖度 0,03%、アルコール度数 13,4% で、生産量は489ケースです。若いソーヴィニヨン・ブランにあるレモンやグレープフルーツと共に、火打石のスモーキーな感じが現われます。タイトでドライ、そして十分なミネラル感。素敵です。寝かせてみたいソーヴィニヨン・ブランです。以前レイチェル・ロッシ・リザーブというソーヴィニヨン・ブラン(2015年ヴィンテージで初リリース)をご紹介しましたが、そのワインを経ての最終ワインがこのコンクリート・エイジド・ソーヴィニヨン・ブランのようです(フロッグス・リープのワイン造りへの探求心は深く、まだまだ造りは進歩しているので、これが最終の形というのはまだ早いと思いますが)。そしてナパ・ヴァレー・ソーヴィニヨン・ブランです。100%ソーヴィニヨン・ブラン。通常アぺレーションはラザフォードですが、現在自社畑植え替え中のためナパ・ヴァレーです(クオリティーに大きな違いはありません)。また通常ステンレスタンクだけでの醸造ですが、2021年はコンクリート・エッグで発酵させたワインも使用しました(約2%)。約6ヶ月のシュール・リー熟成。フルーツ味を感じながらも清涼感満載です。21年は過去最高の出来かもと(ジョンさんの息子で、ワインメーカーを務めるローリーのコメントです)。フロッグス・リープのワインの中で唯一エステートワインではないナパ・ヴァレー・シャルドネです。葡萄はカーネロスでオーガニック栽培を行うトルシャード・ヴィンヤードから。1979年に植樹された、樹齢40年以上のシャルドネです。100%シャルドネ。全房プレス。スキンコンタクト。フレンチオーク新樽で4日間だけの発酵。発酵のピーク時にコンクリートタンクにラッキングして移し、澱と一緒に(攪拌なし)12ヶ月の熟成。自然のマロラクティック発酵(MLF なし)。残糖度 0,1% は驚きです。甘くて濃いビッグなシャルドネではありません。立ち上がる香りがめちゃくちゃ素晴らしく、時間をかけてゆっくりと味わっていただきたいシャルドネです。
チャーミングという言葉が似合う(苦笑)ナパ・ヴァレー・ジンファンデルです。ジンファンデルはセントヘレナの2つの畑から。残念ですが、この地域の土壌はカベルネ・ソーヴィニヨンに適しているため植え替えされ、ジンファンデルは消えつつあるとのことです。レイバー・デイ(勤労感謝の日)に高温となり、9月3日に収穫終了。123トン。発酵後、低温に浸したプティ・シラーを加え、温度を下げ、潜在的なアルコールを下げ、ワインのフェノールを高めました。55%を小さなコンクリート・キューブで、45%をフレンチオーク(新樽不使用)で10ヶ月熟成。2020年は、88%ジンファンデル、9%プティ・シラー、6%カリニャンです(通常よりもカリニャンの比率が高いですが、この年のカリニャンの出来が非常に良かったためとのこと)。バイオレットやプラムの香りがとても素敵です。とてもエレガント。カリフォルニアの100年前のジンファンデルはきっとこんな感じだったのではないでしょうか。2011年をもって、ナパ・ヴァレー・カベルネ・ソーヴィニヨンとフラッグシップのラザフォード・レッドワインは生産終了となりました。そして新たに誕生したのがエステート・グロウン・カベルネ・ソーヴィニヨンです。ラザフォードの偉大なる先人、ジョン・ダニエルやジョージ・ド・ラトゥールやアンドレ・チェリチェフが造り出したカベルネ・ソーヴィニヨンを受け継ぐワインです。2018年は、39%レッドバーン(ワイナリーの前に広がる畑)、31%シャベズ・リード・ヴィンヤード、30%ロッシ・ヴィンヤードからで(全て100%オーガニック認定の無灌漑農法畑)、88%カベルネ・ソーヴィニヨン、6%メルロー、6%カベルネ・フランです。自然酵母で発酵(7~10日間)。1日3回のポンピングオーバー。フレンチオーク(20%新樽)で20ヶ月熟成。自然なマロラクティック発酵。5回の澱引き。アンフィルターそしてアンファイン。ハーブとブラックフルーツの風味。これぞラザフォード・ダストです。エレガントでグッドなバランス。文句なく旨いです。2018年はパーフェクトなヴィンテージです。そしてカベルネ・ソーヴィニヨンの新アイテムも誕生しました。ウイリアムス・ロッシ・カベルネ・ソーヴィニヨンです。葡萄は先ほどコンクリート・エイジド・ソーヴィニヨン・ブランでお話したロッシ・ヴィンヤードから。1886年植樹の歴史あるオーガニック栽培のドライファーム畑です。100%カベルネ・ソーヴィニヨンで、South Creek Block (Clone 7 on St. George) から80%を、North Creek Block (Clone 7 on St. George) から10%を、Hilltop Block (Mendoza Clone on St. George) から10%をセレクトしました。 ジョンさんと息子のローリーが選び抜いた区画です。サウス・クリーク(2008年植樹)は2つのエリアから採取。どちらも砂利の含有量が多く、小さな房と小さな実で、非常に収量は少ない。ドライ・ファーミングの限界にあり樹勢は弱まっていますが、噛み応えのある果実を提供します。ノース・クリーク(2008年植樹)のセレクションはブロックの北端で、粘土質ロームの上に重い砂利の層があり、隣のメルローのブロックと共通点が多い場所です。長い育成期間により深みと個性を持ち、樽を選択する際にこの区画を含めることが必要になるほど傑出した葡萄です。ヒルトップ(2010年植樹)は農場の中心に位置し、平均標高が他の区画より61cm ほど高いです。サウス・クリークと同じ砂利質土壌ですが、サウス・クリークよりもタンニンが少なく、よりハイトーンでバランスが取れています。1/4 をフレンチオーク新樽で、残りをステンレススチールタンクとコンクリートタンクで発酵しました。樽と瓶で長く熟成(熟成期間は未発表)。豊かでたっぷりとした(でも重くはない)黒い果実味。シームレスですが今はまだタイトな印象。私はフロッグス・リープのワインは他の方より数多く飲んでいると思いますが、フロッグス・リープの赤で今まで感じたことのない味わいです。ジョンさんが創業時から追い求めた、禁酒法前後のカリフォルニア最盛期のカベルネ・ソーヴィニヨンに近づいた最終のカベルネ・ソーヴィニヨンなのかなと(こちらもまだまだ進化しそうですが)。私の寿命がもう少し長ければ(苦笑)、おもいっきり寝かせてみたいカベルネ・ソーヴィニヨンです。
コンクリート・エイジド・ソーヴィニヨン・ブランとウイリアムス・ロッシ・カベルネ・ソーヴィニヨンの裏ラベルにはセレクトした葡萄畑が描かれています。この2つの新ワインの日本入荷はもう少し先になるようです。
セミナー会場に入るとジョンさんが気づいてくれました。「ハイ!オールドフレンド!」「ジョンさんご無沙汰です。お元気ですか?」「グッド!ユーは?」「全てグッドです。ジャイアンツが負けたこと以外は。。。」ジョンさん苦笑です。
今回は奥様の Tori トリーさんも来日されました。トリーさんはセミナー前にショッピングに行かれたようで、セミナーの途中に会場に戻られました。セミナー終了後にトリーさんにご挨拶。ジョンさんとの出会いやジャイアンツのジャージのお話をしました。
いつも通り最後に記念撮影を。今回はせっかくですからトリーさんも一緒にスリーショットです。今回ジョンさんのお仕事は東京と大阪でのセミナーだけで、お2人でご旅行されるようです(スキーもするようです)。
#Frog’s Leap Winey
#Rutherford #Napa Valley
Go! Frog’s Leap and Go! Giants
フロッグス・リープのワインはこちらからどうぞ・・・(こちらは旧価格です・・・残念ですがほとんど在庫ございません・・・)
【今まで大幅な値上げはありませんでしたが・・・次ヴィンテージは大幅な値上げになります(涙)・・・】(2022年7月30日)
前回来日のお話はこちらからどうぞ・・・(この時にジャイアンツの新ジャージにサインを頂戴しました・・・)
【ジョンさんが来日しました!(フロッグス・リープ)】(2017年3月23日)
ジョナさん(元社長)はフロッグス・リープを退職され、現在奥様が造る「ピルクロウ」のお手伝いをしております・・・
【5度目のリリースです・・・なんと2018年は3アイテムの生産です・・・ピルクロウ】(2021年5月7日)
【またまた(笑)ジョナさんが来日しました!(フロッグス・リープ)】(2019年4月25日)