昨年に続きチャッド・メルヴィル氏が来日しました!(メルヴィル)

サンタ・バーバラ・カウンティのサンタ・リタ・ヒルズの AVA 認可の立役者で、今やこの地を代表するワイナリーである「メルヴィル」のチャッド・メルヴィル氏が昨年に続き来日しました。本日輸入元主催のセミナーに参加してきました。

メルヴィルについての詳しいお話、及び初来日のお話はこちらからどうぞ・・・

【チャッド・メルヴィル氏来日!(メルヴィル)】(2016年2月25日)

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昨年に続き2度目の来日となったチャッド・メルヴィル氏から家族の歴史や、葡萄栽培そしてワイン造りについてお話がありました。サンタ・バーバラ・カウンティの注目の産地がサンタ・リタ・ヒルズ。海岸から約20マイルの内陸に位置するサンタ・リタ・ヒルズは非常に涼しい気候で、年平均で気温は12℃から21℃ほどです。ここでメルヴィルは100%自社畑からワインを造り出しています。畑はオーガニック&サスティナブル(環境保全農法)。非常に密樹で、1本の樹からの収量を制限します。leafing という、日当たりを良くするために非常に多くの葉を落とす栽培は他では見られないものです(冷涼な気候だからできる栽培です)。ワインは天然酵母で発酵。基本全房発酵ですが、除梗は年と畑によって変わります。熟成に新樽はほとんど使いません。10年~20年使用の古樽で熟成します。ファースト・ヴィンテージは1999年です。チャッド・メルヴィル氏は「We are winegrowers, not winemakers」と強調します。ただワインを造り出すのではなく、いかにして葡萄が栽培されたかを表現できるようなワインを造り出したいと考えています。

昨年はピノ・ノワールにフォーカスしたテイスティングでしたので、今年はシャルドネにフォーカスしたテイスティングとなりました。テイスティングはこちらです。

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★Inox clone 76 Chardonnay
★Melville Selection Chardonnay
★Hanzell Selection Chardonnay
★Estate Chardonnay 2013
★Estate Pinot Noir 2013
★Block M Pinot Noir 2015

全て2016年に醸造したものです。来日直前にタンクまたはバレルから取り出したサンプルワインとボトリングされたワインです。まずはサンプルワインのシャルドネの3つのクローンをテイスティング。イノックスはエステートの西側に位置する小さなブロックで、クローン76です。この地は海の底だったため、珪藻土と言われる軽い白っぽい土の土壌です。白い花、青りんごやかぼすの香り。低い糖度で、すっぱいくらいに酸が際立っています。ステンレスタンクのみで、MLF(マロラクティック発酵)はなし。シャブリに似たような味わいを持ちます。21,2 Brix 3,29 pH 。メルヴィル・セレクションは、実はカリフォルニアの有名なクローンなのですが、名前を出すことができないのでメルヴィル・セレクションと名付けたとのこと。「盗んだんじゃないよ」とおっしゃるチャッドさん(笑)。薄いサーモンピンクの色合いはこのセミナーのために出荷時にSO2の添加が少なかったため酸化状態になっているとのこと。古樽で熟成。イノックスよりは若干糖度が高いですが、こちらも花のような華やかなアロマを持ち、優しいアタックの果実味ですが、やはりしっかりとした酸を持ちます。24,3 Brix 3,21 pH 。ハンゼル・セレクションは、カリフォルニアで最も古い畑からのクローン。ハンゼル・ヴィンヤーズのシャルドネの樹は北アメリカ最古の葡萄の樹と言われています。接木して増やしました。やや黄金色の見える色合い。旨味のあるふくよかな果実味ですが、こちらもしっかりとした酸を持ちます。23,2 Brix 3,14 pH 。エステート・シャルドネは、ハンゼル、ハドソン、ウエンテ他の多種のクローンを使用。メルヴィルの畑は全部で120エーカーほどですが、シャルドネはうち14エーカーほどです。10~20年使用の樽で発酵、熟成。MLFなし。柑橘系果実の香り。そして少しの蜜の香り。綺麗で十分な果実味とミネラルですが、海風を思わせる冷涼感があります。エステート・ピノ・ノワールは、メルヴィルが所有する16のピノ・ノワールのクローンからのセレクション。メルヴィルは178個の発酵槽を使ってピノ・ノワールを造ります。そこから単一畑のワインを除いたものをブレンドしたものがエステート・ピノ・ノワールとなります。赤が見える色合い。フレッシュな赤系果実、バラの花、そしてハーブやスパイスの香り。華やかな果実味で、軽やかなタンニンも心地良いのですが、最後に綺麗な酸が全体を引き締めます。40%ホール・クラスター(除梗なし)。最後のブロック M ピノ・ノワールは、エステートの西側に位置する僅か5エーカーのブロックで、クローンは114と115です。このピノ・ノワールは2010年までは Carrie’s キャリーズという名称でした。Terraces(西側)、Sandy’s(東側) というブロックのピノ・ノワールと共に、メルヴィルのトップ・キュヴェとして非常に評価の高いピノ・ノワールです。赤と黒が混じる色合い。ブラックチェリーやプラムの香り。濃縮した赤黒系の果実味で、タンニンもしっかりしています。しかしいわゆる重いという印象はなく、バランスのとれた洗練された味わいになっています。75%ホール・クラスター。5~20年使用のフレンチオークにて熟成。生産量は977ケースです。シャルドネは綺麗な果実味をきりっとした酸が包み込み、どこか潮の風味を感じさせる味わいです。ピノ・ノワールはエレガントな果実味を心地良い酸が包み込み、手塩に掛けた健全で素晴らしい葡萄の実がイメージできる味わいです。

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今日はセミナー終了後速攻で帰宅予定のため、セミナー前にご挨拶したかったのです。セミナー会場入口にチャッドさんがいました。「チャッドさん、これ覚えていますか?」「(笑顔で)覚えてるよ!」「ご無沙汰です。」「また会えて嬉しいよ!」

チャッドさんが覚えていたのは、果たして私でしょうか、それともジャイアンツのジャージでしょうか(笑)。。。東京ジャイアンツのこと聞かれましたが、チャッドさん、すみません、私はサンフランシスコは応援していますが、東京のジャイアンツは特に応援していません、みたいな(笑)。。。

 チャッドさんと・・・ CIMG2150

【サンタ・リタ・ヒルズを代表するワイナリー「メルヴィル」のチャッド・メルヴィル氏が初来日しました・・・】(2016年3月5日公開)

 

 

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