マイケル・フェイ氏来日(ゴールデンアイ)

ナパにおけるメルロー造りのパイオニア「ダックホーン Duckhorn 」。ダックホーンは現在6つの独立したブランドを持ちます。その1つで、メンドシーノでピノ・ノワールに特化したブランド「ゴールデンアイ Goldeneye 」のワインメーカー、マイケル・フェイ氏が初来日しました。また、昨年秋に続き、海外輸出営業部長のブライアン・ボストウィック氏も来日しました。本日輸入元のセミナーに参加してきました。

まずブライアンさんからダックホーンの歴史についてお話がありました。1976年ダン(ダニエル)&マーガレット・ダックホーン夫妻はナパ・ヴァレー北部に20エーカーの畑と古いワイナリーを購入し、ダックホーンはスタートしました。ボルドーを訪れ、特にシャトー・ペトリュスのエレガントさに魅了されたダックホーン夫妻は、当時はブレンド用にしか使われていなかったメルローを単独で使用したワインを造る決心をしました。1978年カベルネ・ソーヴィニヨンとメルローをリリースしました。ダックホーンはナパ・ヴァレーにおけるメルロー造りのパイオニアです。

マイケルさんからはアンダーソン・ヴァレーについてお話がありました。ソノマの北に位置するメンドシーノ・カウンティ。このメンドシーノで太平洋側に縦長に位置するのがアンダーソン・ヴァレーです。長さは約32kmで、北は涼しく、南は暖かく、北と南の温度差は大きいです。また1日の寒暖差も大きく、日中は30℃前後になりますが、夜は5℃前後と冷え込みます。この寒暖差が冷涼地にもかかわらず濃厚な色合いの凝縮したワインを生み出します。しかし、冷涼地ならではのしっかりとした酸を持つため、全体としてバランスのとれたワインとなります。シャンパーニュの老舗メゾン、ルイ・ロデレールがアンダーソン・ヴァレーに進出したことで一躍有名になりましたが、ダックホーンも北から南まで(オレゴンからカリフォルニア・サンタ・バーバラまで)くまなく調査した結果、この地を選びました。現在アンダーソン・ヴァレーには27のワイナリーがありますが、その数の倍の生産者がアンダーソン・ヴァレーの葡萄を他の地域で醸造しています(アンダーソン・ヴァレーの葡萄をアンダーソン・ヴァレーで造る生産者は少ないということです)。ダックホーンは1996年にアンダーソン・ヴァレーに畑を購入。1997年ヴィンテージでゴールデンアイが誕生しました。元々ゴールデンアイはアンダーソン・ヴァレーのピノ・ノワールとして高い評価を得ていましたが、2009年オバマ大統領の就任昼食会でサーブされたことでさらに注目を浴びるようになりました。

 ゴールデンアイ

テイスティングはこちらです・・・(価格は輸入元税抜定価です・・・)

 Gewurztraminer Confluence Vineyard Anderson Valley
★ゲヴュルツトラミネール 2014 ¥4,600 限定出荷品
 Vin Gris (Rose) of Pinot Noir Anderson Valley
★ヴァン・グリ 2014 ¥4,400 限定出荷品
 The Narrows Vineyard Pinot Noir Anderson Valley
★ザ・ナローズ ピノ・ノワール 2012 ¥11,000 限定出荷品
 Gowan Creek Vineyard Pinot noir Anderson Valley
★ゴーワン・クリーク ピノ・ノワール 2012 ¥10,000
 Confluence Vineyard Pinot Noir Anderson Valley
★コンフルンス ピノ・ノワール 2012 ¥11,000 限定出荷品
 Ten Degrees Pinot Noir Anderson Valley
★テン・ディグリーズ ピノ・ノワール 2009 蔵出し参考品

残念ながらゴールデンアイのシングル・ヴィンヤード・ピノ・ノワールが日本入荷することはほとんどありません(当店もゴーワン・クリークが1度だけの入荷)。今回の限定出荷品もワインメーカー来日を記念して、通常はアメリカ国内限定品を特別に蔵出ししてくれたものです。

ゲヴュルツトラミネールはライチ、マスカット、洋ナシの香り。あえて1%の残糖。酸がしっかりしているので酸とのバランスをとるためです。トロリとした美味な果実味ですが、ドライな仕上がりです。めっちゃ美味です。ヴァン・グリは非常に色合いの薄いサーモンピンク。果皮を果汁に漬けこんでショートマセレーションさせた果汁から造られました。”ポーチに出て昼間楽しむワイン”をイメージして造ったとのこと。ドライで綺麗な果実味です。これも好感度ありありです。ザ・ナローズ・ピノ・ノワールは北部の尾根の狭い頂きにあります。冷涼な地域の樹齢の高い葡萄。森林のニュアンス。フレンチオーク(55%新樽)にて16ヶ月熟成。ゴーワン・クリーク・ピノ・ノワールはワイナリーの近くに位置する畑。理想的な安定した気候を持つ場所です。アンダーソン・ヴァレーの銘醸畑サヴォイのそばですが、サヴォイとは違うニュアンスを醸し出します。ラベンダーやプラムの香り。紫のニュアンス。フレンチオーク(55%新樽)にて16ヶ月熟成。コンフェルエンス・ピノ・ノワールは最も南に位置する畑。ナヴァロ川に隣接。多様性に満ちた畑。生き生きとしたフルーツの風味があり、テクスチャーのある味わい。ダックヘッド・ブロックと名付けられた鴨の頭に似た形のブロックがマイケルのお気に入りとか。フレンチオーク(50%新樽)にて16ヶ月熟成。テン・ディグリーズ・ピノ・ノワールはダックホーンがアンダーソン・ヴァレーに所有する4つの自社畑からの最高のロットのブレンド。北から南までおおよそ気温にして華氏10度(テン・ディグリーズ)の差があることから名付けられました。4つの畑の特徴を表しながらも、凝縮した、そしてバランスのとれた果実味です。フレンチオーク(100%新樽)にて16ヶ月熟成。ちなみに2012年は輸入元定価¥15,000です。

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今日はセミナーのほかにダックホーンのフリーテイスティングもありましたので早めに到着。セミナー会場を覗くと昨年秋にお会いした海外輸出部長のブライアンさんもいます。ちょっとお邪魔してブライアンさんにご挨拶。「このシャツ覚えています?」とジャイアンツのジャージを取り出すと、ブライアンさんは「もちろん!」と笑顔でした。そしてマイケルさんにご挨拶。ジャージに書かれた、ダックホーンの創業者、社長、副社長、歴代ワインメーカーのサインをお見せすると、マイケルさん興奮(笑)。はい、サイン頂戴しました。

お2人はもちろんジャイアンツの大ファン。来日最終日お2人は日本のプロ野球を観戦に行くとのことです。もちろん東京ジャイアンツの試合です。一緒に行こうかな。。。

 マイケルさんと・・・  CIMG1771
 ブライアンさんと・・・
(昨年秋の撮影)
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 ダックホーンはなんと7人のサインがあります・・・  CIMG1775

ダックホーンはなんと7人のサインがあります。創業者のマーガレット・ダックホーンさん、社長のアレックス・ライアンさん、副社長のピート・プリジビリンスキーさん(メル友 笑)、輸出部長のブライアン・ボストウィックさん、ワインメーカーのマーク・べリンジャーさん(あのべリンジャーの5世代目)、ビル・ナンカロウさん、そしてマイケル・フェイさんです。

1978年に誕生したダックホーン初のメルローはナパ・ヴァレー北部のスリー・パームス・ヴィンヤードという畑の葡萄から造られました。以後ダックホーンはこの畑の葡萄のワインを造り続けましたが(専属契約畑として)、今年2015年5月ダックホーンはスリー・パームス・ヴィンヤードを取得しました。

【ダックホーンの秘蔵ワイン「キャンバスバック」が復活!?】(2014年10月14日配信)

 

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