「 In Pursuit of Balance 」
「 In Pursuit of Balance 」は、酸がきれい、濃すぎない、アルコールが高すぎない、バランスがとれている、そういうワインを造るカリフォルニアの生産者グループ。このグループを代表する1人である「Sandhi サンディ(サンタ・バーバラ)」のラジャ・パー氏と、「LIOCO (ソノマ)」のマット・リクライダー氏が来日しました。本日輸入元主催のセミナーに参加してきました。
「サンディ」のオーナー・ディレクター、ラジャ・パー氏は、アメリカ各地で有名なマイケル・ミーナ・グループのワイン・ディレクターを務めた方です。彼がワインをコーディネートして高い評価を受けたレストランは枚挙に暇がありません。彼が求めるワインは、料理と合わせることにより、双方が引き立ち、相乗効果を生み出すもの。つまり、酸と果実のバランスがとれ、フィネスがあるものです。そのラジャ・パー氏が満を持してパートナーと共に2009年「サンディ」を立ち上げました。その場所はサンタ・バーバラ・カウンティのサンタ・リタ・ヒルズです。彼はサンタ・リタ・ヒルズの素晴らしい可能性に惚れ込みました。
「リオコ」のマット・リクライダー氏は、アメリカへのイタリアワイン、ブルゴーニュワインのインポーターとして手腕をふるった方です。スパゴ・ビバリーヒルズのワイン支配人ケヴィン・オコナー氏と出会い、テロワールを表現し、食事と共に楽しめ、食事を引き立てるワインについて語り合いました。2005年マット・リクライダーとケヴィン・オコナーは「リオコ」を創業。リオコの名前は2人の苗字から来ています。現在メンドシーノ、ソノマ、サンタ・クルーズの葡萄から、テロワールの個性を十分に反映させたワインを造り出しています。
ラジャ・パー氏は、カリフォルニアの「グランクリュ畑」と言われるソノマ・コーストのハーシュ・ヴィンヤードのジャスミン・ハーシュ女史、そして幾人かの友人と2011年から「 In Pursuit of Balance 」の活動を始めました。現在約30のワイナリーがこのグループに加盟しています(オー・ボン・クリマ、カレラ、コブ、コパン、フラワーズ、ハンツェル、ハーシュ、クッチ、リトライ、マウント・エデン、オハイ、ペイ、キュペ、レッド・カーなど・・・)。初期はラジャ・パー氏がワイナリーを選定していましたが、参加希望のワイナリーが増えたため、評論家、ソムリエ、ワインメーカー、流通業者からなる審査員がワイナリーを選定するようになりました。年に1度新たに参加希望するワイナリーのワインを集め、ブラインドテイスティングで審査します。すでにメンバーになっているワイナリーも2年に1度再審査します。審査の一番のポイントはとにかく「バランスがとれているか」という点で、アルコール度数などの細かいデータは特に重要ではないようです。
本日テイスティングしたワインは・・・(価格は輸入元上代価格です・・・)
LIOCO Laguna Pinot Noir Sonoma Coast 2012
★リオコ ラグーナ ピノ・ノワール ソノマ・コースト 2012 ¥5,775
LIOCO Hirsch Vineyard Pinot Noir Sonoma Coast 2011
★リオコ ハーシュ ピノ・ノワール ソノマ・コースト 2011 ¥9,450
Domaine de la Cote Bloom’s Field Pinot Noir Santa Rita Hills 2011
★ドメーヌ・ド・ラ・コート ブルームス・フィールド ピノ・ノワール サンタ・リタ・ヒルズ 2011 ¥9,450
LIOCO Chardonnay Russian River Valley 2011
★リオコ シャルドネ ルシアン・リヴァー・ヴァレー 2011 ¥5,460
Sandhi Chardonnay Santa Rita Hills 2011
★サンディ シャルドネ サンタ・リタ・ヒルズ 2011 ¥6,300
Sandhi Rita’s Crown Chardonnay Santa Rita Hills 2011
★サンディ リタズ・クラウン シャルドネ サンタ・リタ・ヒルズ 2011 ¥8,400
アルコール度数はピノ・ノワール、シャルドネ、共に全て13%台です。(短く簡単な表現で申し訳ありませんが・・・)ピノ・ノワールは綺麗な色合いで、赤い果実の風味が満載です。酸と果実味のバランスも素敵です。シャルドネは綺麗な果実味が特徴的で、樽の風味は強く出ません。アタックが非常に優しいです。ドメーヌ・ド・ラ・コートはラジャ・パー氏が造るサンタ・リタ・ヒルズに特化したピノ・ノワールのブランドです。
お料理にマッチするバランス重視のワインということで、銀座寿司幸本店がプロデュースする逸喜優さんがお食事を用意してくださいました。全体的にピノ・ノワールとの相性が良かったです。お2人のシャルドネは酸がしっかりとしているので、今回はピノ・ノワールからのテイスティングとなりました。
(ズワイガニの黄身酢和え、コハダとガリの巻物、ブリの辛子醤油漬け、スミイカのげそ西京焼き、穴子、かんぴょう巻き。中央は温泉卵とピノ・ノワールで作ったタレです。)
セミナーまでにちょっと時間があったので先にお2人にご挨拶しました。輸入元からは、マットさんはジャイアンツの大ファンみたい・・・、と情報いただいておりました(笑)。ご挨拶して例のジャージを取り出すと・・・マットさんもラジャさんも大笑いです。ジャージに書かれたオーナーやワインメーカーの名前を読み上げると、お2人とも「クレイジー」みたいなことおっしゃってました(笑)。マットさんはサンフランシスコ在住で大のジャイアンツ・ファン。ラジャさんもサンフランシスコでソムリエをしていましたからもちろんジャイアンツのファンとのことでした。
マットさん(左)、ラジャさん(右)と一緒に・・・ |
その後飛び込みでもう1つサインが増えましたが、そのお話はまた後ほど(笑)・・・