5年振りの来日です!スポッツウッドのベスさんが来日しました!(スポッツウッド)

“ナパのマルゴー” と呼ばれる「スポッツウッド」です。エレガンスさとバランスの良さはナパ No.1 ではないでしょうか。現当主ベス・ノバックさんが5年振りに来日しました。輸入元のセミナーに参加しました。

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it is like a New World version of Chateau Margaux

“ナパのマルゴー” “ナパの女王” と呼ばれるスポッツウッドです。

スポッツウッドのその歴史は100年以上前に遡ります。現在も存続する石造りのワイナリーとビクトリア朝の邸宅は、19世紀末にドイツ移民でナパ・ワインのパイオニアの1人であった、ジョージ・ショーネンワルドが建てたものです。その後幾度か所有者が変わりましたが、禁酒法以前にアルバート・スポッツ夫人が所有していたこの屋敷と敷地を1972年に購入したのがジャック&メアリー・ノバック夫妻です。ワインのラベルにはノバック・ファミリーにより再建された邸宅が描かれており、スポッツウッドの名前は前所有者のスポッツ・ファミリーに由来しています。ジャックとメアリーは葡萄栽培を始め、僅か数ブロックの小さな畑の葡萄はダックホーンやシェイファーに供給されました。残念ながら1982年にジャック・ノバックは他界しましたが、メアリーはジャックの夢をかなえるために正式にスポッツウッド・ワイナリーを立ち上げました。

スポッツウッドは1982年ヴィンテージよりワインをリリースしました。畑の開発は、アロウホ、コルギン、ブライアント・ファミリーなどのカルトワイナリーに携わったナパのトップ・ヴィンヤード・マネージャーのデヴィッド・エイブリューが行い、醸造は、やはりアロウホ、ダラ・ヴァレ、ニーボム・コッポラなどでワイン造りに携わったナパのトップ・ワインメーカーのトニー・ソータが行いました。1985年からはオーガニック栽培を始め、以後ただ1つのエステートのカベルネ・ソーヴィニヨンと少量のソーヴィニヨン・ブランを造り続けてきました。現在は、エステート・カベルネ・ソーヴィニヨンソーヴィニヨン・ブラン、そしてセカンドワイン的存在の Lyndenhurst リンデンハースト・カベルネ・ソーヴィニヨン、エステートの南に隣接するスプリング・クリーク・ヴィンヤード(現在自社畑)からの Field Book フィールド・ブックという南仏系品種のブレンドワイン、の4つのブランドを持ちます。

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トニー・ソータによって造り上げられたスポッツウッドは、その後トニー・ソータ氏とコンビを組むかのように活動していた3大女性醸造家の1人であるミア・クライン女史に引き継がれ(90~91年)、そして92年から96年まではやはり偉大な女性醸造家であるパム・スター女史が、97年から2005年まではローズマリー・ケークブレット女史がワインメーカーを務めました。ケークブレッド女史は2006年ヴィンテージからはコンサルタントとして参加することになり、その後ワインメーカーに就いたのはヴィンヤード・マネージャーも兼任する新鋭のジェニファー・ウイリアムズ女史です(06年から10年まで)。スポッツウッドは女性ワインメーカーがその地位を守り続けてきました。と語り続けてきましたが、現在はアーロン・ウィーンカウフという男性のワインメーカーです。栽培と醸造の両方を担当します。現在畑は約40エーカー(約16ha)で25以上のブロックに分けられています。1992年に取得した CCOF (California Certified Organic Farmers) の他、ビオデナミ農法の Demeter、ナパで初となる B Corp、そして最新の ROC (Regenerative Organic Certified) の認証を得ています。

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この度スポッツウッドの輸入元が変わり、それに伴い5年振りにベス・ノバックさんが来日しました。ベス・ノバックさんからワイナリーの歴史、そして栽培や醸造についてのお話がありました。テイスティングはこちらです・・・(価格は輸入元税抜上代価格です)

 Spottswoode Sauvignon Blanc Napa County / Sonoma County 2023
★スポッツウッド ソーヴィニヨン・ブラン ナパ・カウンティ / ソノマ・カウンティ 2023 ¥9,500 40周年記念ラベル
 Spottswoode Lyndenhurst Cabernet Sauvignon Napa Valley 2021
スポッツウッド リンデンハースト カベルネ・ソーヴィニヨン ナパ・ヴァレー 2021 ¥19,800
 Spottswoode Estate Cabernet Sauvignon Napa Valley 2021
スポッツウッド エステート カベルネ・ソーヴィニヨン ナパ・ヴァレー 2021 ¥55,000 WA98+ VI97 JD96-98 40周年記念ラベル
 Spottswoode Estate Cabernet Sauvignon Napa Valley 2020
スポッツウッド エステート カベルネ・ソーヴィニヨン ナパ・ヴァレー 2020¥46,000 WA98-100 DC99 JD96

 Spottswoode Estate Cabernet Sauvignon Napa Valley 2019
スポッツウッド エステート カベルネ・ソーヴィニヨン ナパ・ヴァレー 2019 ¥39,500 WA100 WE97 JD97 JS96
 Spottswoode Estate Cabernet Sauvignon Napa Valley 2011
スポッツウッド エステート カベルネ・ソーヴィニヨン ナパ・ヴァレー 2011
蔵出しの参考品

”ナパのマルゴー” と言われるスポッツウッドです。そのスポッツウッドが造るソーヴィニヨン・ブランです。ナパ・ヴァレーをカリフォルニアを代表するソーヴィニヨン・ブランの1つです。ソーヴィニヨン・ブランの誕生は1984年です。初期は自社畑の葡萄のみで生産していましたが、フィロキセラにより1990年から自社畑と契約畑の葡萄から生産するようになりました。2023年ソーヴィニヨン・ブランは、52%ナパ・ヴァレー、48%ソノマ・カウンティです。冷涼地と温暖地の葡萄をブレンドすることで清涼感と複雑味の両方を兼ね備えます。93%ソーヴィニヨン・ブラン、7%セミヨンで、醸造は、ステンレススチールバレル(小樽)、フレンチオーク小樽、アンフォラ、セラミック製発酵槽、コンクリート製発酵槽を使用。マロラクティック発酵はなし。澱と寝かせることで旨味や複雑味を引き出します。200以上のロットを最終的にブレンドします。フレーバーを伴う心地良い果実味とクリスプな酸。非常にバランスが良く、とてもエレガントな仕上がりです。そしてストラクチャーもあり。醸造40周年の記念ラベルです。セカンドワイン的存在のリンデンハースト・カベルネ・ソーヴィニヨンです。創業者ジャック&メアリー夫妻が購入したスポッツウッドの歴史は下記のメルマガ(2013年10月)をご覧頂きたいのですが。ジョージ・ショーネンワルドは購入した石造りのワイナリーとビクトリア朝の邸宅を1906年にジョセフ・ブリスに売却。ジョセフ・ブリスはこの敷地をストーンハーストと名付けました。ジョセフ・ブリスは1908年にストーンハーストをジョージ・アレンに売却。ジョージ・アレンは庭に植えられていた4本のインデアン・ツリーにちなんでこの敷地をリンデンハーストと名付けました。リンデンは菩提樹の一種でハーストは森や林を意味します。そういうスポッツウッドの歴史にインスパイアされて名付けたのがリンデンハースト・カベルネ・ソーヴィニヨンです。リンデンハースト・カベルネ・ソーヴィニヨンはスポッツウッドの自社畑と契約畑の葡萄から造られます。ナパの美しさを表現することを目的としたワインです。(重すぎない)エレガントな若々しさを表現することを目的としたワインです。2021年リンデンハースト・カベルネ・ソーヴィニヨンの葡萄は、約半分がスポッツウッドの自社畑から。残りの約半分は、ナパ・ヴァレー各地の契約畑から。79,2%カベルネ・ソーヴィニヨン、10,6%メルロー、3,8%プティ・ヴェルド、3,5%カベルネ・フラン、2,9%マルベックで、92%フレンチオーク、8%その他オークで20ヶ月熟成。新樽比率は35%です。口当たりはシルキーで、カシスやブラックベリー風味の心地良い果実味です。長い余韻に心地良さと複雑さの両方を感じます。

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そしてエステート・カベルネ・ソーヴィニヨンです。エステート・カベルネ・ソーヴィニヨンの初ヴィンテージは1982年。当時ナパのトップ・ワインメーカーであったトニー・ソータによって造られました。1985年からはオーガニック栽培を始め、以後ただ1つのエステートのカベルネ・ソーヴィニヨンを造り続けてきました。スクリーミング・イーグルやハーランがカルトワインと呼ばれもてはやされた時も、スポッツウッドをカルトワインと呼ぶ人はいませんでした(ワイン博識のある人が)。トラッドな正統派のカベルネ・ソーヴィニヨンを40年に亘り造り続けています。カルトワインに負けず評価は非常に高いです。初めてのパーカー100点は2010年ヴィンテージです。2012年12月アントニオ・ガローニが2010年ヴィンテージに95+点を付けました。その後2013年10月に当店が2010年ヴィンテージのメルマガを配信した直後にパーカーが再評価で100点を付けました。ワイナリー史上初のパーカー100点です。スペシャル・プライスでの販売ということもあり、再評価発表後は一瞬にして売り切れました。

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2021年エステート・カベルネ・ソーヴィニヨンは、87%カベルネ・ソーヴィニヨン、9%カベルネ・フラン、4%プティ・ヴェルドで、88%フレンチオーク、12%その他オークで20ヶ月熟成。新樽比率は62%です。綺麗な赤い果実の甘味も感じさせる果実味ですが、力強く表情豊かです。心地良い酸味が全体のバランスを整えます。繊細ながら力強いタンニン。心地良く残る余韻が印象的です。やはり素晴らしいエレガントなカベルネ・ソーヴィニヨンだと思います。生産量は3千~4千ケースです。この2021年にワイン・アドヴォケイト誌が98+点、ヴィノス(アントニオ・ガローニ)が97点、ジェブ・ダナックが96-98点を付けました。醸造40周年の記念ラベルです。2020年エステート・カベルネ・ソーヴィニヨンは、96,5%カベルネ・ソーヴィニヨン、3%プティ・ヴェルド、0.5%カベルネ・フラン、で86%フレンチオーク、14%その他オークで21ヶ月熟成。新樽比率は55%です。大きな山火事があった2020年ですが、例年スポッツウッドは他ワイナリーよりも少し収穫が早く、山火事の影響は受けませんでした。ということで無事に2020年ヴィンテージを生産することが出来ました。
2020年はもし山火事がなかったらグレート・ヴィンテージと言われたであろう年でした。ということでスポッツウッドの評価は高く、ワイン・アドヴォケイト誌が暫定100点(98-100点)、デキャンターが99点、ジェブ・ダナックが96点を付けました。2019年エステート・カベルネ・ソーヴィニヨンは、89,5%%カベルネ・ソーヴィニヨン、6,5%%プティ・ヴェルド、4%カベルネ・フランで、90%フレンチオーク、10%その他オークで20ヶ月熟成。新樽比率は67%です。ワイン・アドヴォケイト誌が100点を付けました。ワイン・エンスージアスト誌が97点を付け、Best of the Year 2022 に選出しました。ジェブ・ダナックが97点、ジェームス・サックリングが96点を付けました。最後に2011年ファミリー・エステート・グロウン・カベルネ・ソーヴィニヨンです。醸造30周年のヴィンテージです。蔵出しの参考品です。89%カベルネ・ソーヴィニヨン、8%カベルネ・フラン、3%プティ・ヴェルドで、フレンチオークで19ヶ月熟成。新樽比率は62%です。雨が多く、冷涼な年で、いわゆるバッド・ヴィンテージの年ですが、オーガニック栽培の強さが見事に成功に導き、ワインはエレガントでフィネスの強さを感じさせます。スポッツウッドのカベルネ・ソーヴィニヨンはまさに正統派のカベルネ・ソーヴィニヨンで、非常にバランスが取れた味わいを持つことが最大の特徴です。ゆえに長期熟成が可能なワインです。ナパのマルゴーと言われる所以はそこにあります。

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ベスさんは5年振りの来日です。そして私はベスさんとお会いするのは5回目です。サインは2014年に頂戴しています。セミナーが始まる時に目と目が合い、なぜか笑われました。セミナー終了後ご挨拶に。「また写真撮るの?」って笑われました(苦笑)。

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元ローレル・グレンのワインメーカーで、現在スポッツウッドの輸出を担当するレイ・カフマンさんも来日しました。レイさんは大のジャイアンツ・ファンです。もちろんサインございます。「リアルなショウヘイ・オオタニを見ましたか?」と尋ねると「テレビで」と。「でも彼はグレートなプレイヤーだね」と、残念ですが大のジャイアンツ・ファンも彼の実力を認めております(苦笑)。

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ベスさんのサインは CISCO の右下です。Spottswoode in Tokyo! と。その左にレイ・カフマンさんと、レイさんの奥様でワインジャーナリストの恵美子・カフマンさんのサインがあります。Go! Spottswoode and Go! Giants のチーム・スポッツウッドのメンバーが久しぶりに集合しました(苦笑)。

#Spottswoode Winery
#Sauvignon Blanc
#Cabernet Sauvignon
#St. Helena #Napa Valley

もう少し詳しいワインの説明はこちらからどうぞ・・・

【訳ありで今まで飛び飛びのご紹介でしたが・・・この度輸入元が変わり、今後は毎年ご紹介できると思います・・・】(現在作成中です)

スポッツウッドの歴史のお話は2013年10月のページからどうぞ・・・

【2010年で遂にパーカー100点を獲得した「スポッツウッド」です・・・こちらも非常に評価の高い2012年が入荷です・・・】(2016年10月4日配信)

【パーカー100点獲得!(追記) スペシャル・プライスです!このワインがこの価格ってあり得ません!エレガントさはナパ No.1 です!】(2013年10月22日配信)

過去のベス・ノバックさん来日のお話はこちらからどうぞ・・・

ブログ【またまたベスさんが来日しました!(スポッツウッド)】(2019年10月21日)

ブログ【カレラのジョシュさん、スポッツウッドのベスさんが来日!グレートなテイスティングです!】(2017年6月22日)

 

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