遂にカリフォルニア最後の大物が来日しました!・・・(ピゾーニ・ファミリー・ヴィンヤーズ)

凄いサプライズでした!遂にカリフォルニア最後の大物が来日しました!

“カリフォルニアのラ・タ―シュ” と言われた、ご存じピゾーニ・ピゾーニ・ピノ・ノワール。ピゾーニ・ワイナリーの創業者ゲーリー・ピゾーニ氏と、ワインメーカーを務める息子のジェフ・ピゾーニ氏が来日しました。ジェフさんだけの来日と聞いておりましたが、ゲーリーさんついてきちゃったようです(苦笑)。ちなみにジェフさんとは2014年以来の11年振りのご対面となりました。輸入元主催のセミナーに参加しました。

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サンフランシスコの南、モントレーの奥地に広がるサンタ・ルチア・ハイランズゲーリー・ピゾーニはこの地に3代続く農家に生まれました。ピゾーニ・ファームを営んでいた父親の代にはレタス、アスパラガス、ブロッコリーなどの栽培で成功を収めていましたが、ゲーリー・ピゾーニはワイン用の葡萄栽培を始めたい思いに駆られ、1982年に父親が購入していた山腹の土地に葡萄を植えました。2haの畑です。

当初はその土地にどの品種が合うか判らず、シャルドネ、ピノ・ノワール、メルロー、カベルネ・ソーヴィニヨン、シラー等多くの品種を植えましたが、なかでもピノ・ノワール DRC ラ・ターシュのクローンを植樹しました。水源確保のため6回に渡って掘削しました。畑内に水源を探し当て灌漑が可能になるまでは毎日水を運ぶ苦労を重ねました。1990年代に入ると、ピーター・マイケル、パッツ&ホール、シドゥーリ、オーハイなどの有名ワイナリーがピゾーニの葡萄を使うようになり、一気にピゾーニ・ヴィンヤードの名前は有名になりました。

1998年自らピノ・ノワールの醸造を手がけました。最初の2年間は多くのカルトワインに携わり自らもカルトワインを有するマーク・オベールがワインメーカーを務めましたが、以降はゲーリー自らが行い、現在は次男のジェフ・ピゾーニがワインメーカーを務めています。長男のマーク・ピゾーニはヴィンヤード・マネージャーを務めています。DRCラ・ターシュのクローンから誕生したピゾーニ・ピゾーニ・ピノ・ノワールは2008年ヴィンテージがパーカー98点を獲得し、現在カリフォルニアを代表するピノ・ノワールの1つとなっています。

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セミナー開始にあたり輸入元社長が挨拶。「このセミナーのためにピゾーニ・ワイナリーからジェフ・ピゾーニ氏が来日されました。実は、もうお1人このセミナーに参加されます。ゲーリー・ピゾーニさんです。」驚きのサプライズでした。

先ずはサプライズ参加のゲーリー・ピゾーニ氏から創業当時のお話がありました。今まで人づてに聞いてきたあの話この話がご本人から聞けるとは。参加者全員興奮状態でした(苦笑)。野菜を止めて葡萄を作ることに父親は大反対だったとか。ファイン・ワインのマニアだったゲーリーさんはとにかく良いワインを造りたいと思っていました。そこでブルゴーニュの至宝ドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティを訪問し畑を見学。するとたくさんの枝が落ちていて。ゲーリーさんはそれをこっそり持ち帰りました。ここから先はまた違う時に(秘密の部分もあるので)。畑を作るにあたり水源の確保が第一。2回目の掘削では1分間に1ガロンの水だけ。4回目の掘削では1分間に2ガロンの水だけ。6回目にしてやっと井戸を掘り当てました。凄いたくさんのお金を使ったとのことです。80年代の終わりに、葡萄樹が育ち、ピノ・ノワールが収穫できるようになると、ゲーリーさんは手作りでワインを造り上げました。そのワインをピーター・マイルやパッツ&ホールなどに持ち込んだそうです。ピゾーニの畑の葡萄のクオリティは認められたようですが、サンタ・ルチア・ハイランズっていったいどこなんだ、という話で大盛り上がりになったとか。そしてジェフ・ピゾーニ氏からはサンタ・ルチア・ハイランズについて、3つの自社畑について、ワイン造りについてのお話がありました。

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テイスティングはこちらです。価格は輸入元上代税抜き価格です。

with Mr. Gary Pisoni and Mr. Jeff Pisoni

− Pisoni Family Vineyards Santa Lucia Highlands −

Lucia by Pisoni Chardonnay Estate Cuvee 2023
★ルチア・バイ・ピゾーニ シャルドネ エステート・キュヴェ サンタ・ルチア・ハイランズ 2023 ¥9,500
Pisoni Estate Chardonnay Pisoni Vineyard 2022
★ピゾーニ エステート シャルドネ ピゾーニ・ヴィンヤード サンタ・ルチア・ハイランズ 2022 ¥17,000
Lucia by Pisoni Pinot Noir Estate Cuvee 2022
★ルチア・バイ・ピゾーニ ピノ・ノワール エステート・キュヴェ サンタ・ルチア・ハイランズ 2022 ¥10,000
Lucia by Pisoni Pinot Noir Soberanes Vineyard 2022
★ルチア・バイ・ピゾーニ ピノ・ノワール ソベラネス・ヴィンヤード サンタ・ルチア・ハイランズ 2022 ¥12,400
Lucia by Pisoni Pinot Noir Garys’ Vineyard 2022
★ルチア・バイ・ピゾーニ ピノ・ノワール ゲーリーズ・ヴィンヤード サンタ・ルチア・ハイランズ 2022 ¥14,000
Pisoni Estate Pinot Noir Pisoni Vineyard 2022
★ピゾーニ エステート ピノ・ノワール ピゾーニ・ヴィンヤード サンタ・ルチア・ハイランズ 2022 ¥20,000
Pisoni Estate Pinot Noir Pisoni Vineyard 2018
★ピゾーニ エステート ピノ・ノワール ピゾーニ・ヴィンヤード サンタ・ルチア・ハイランズ 2018 蔵出し参考品
Pisoni Estate Pinot Noir Pisoni Vineyard 2008
★ピゾーニ エステート ピノ・ノワール ピゾーニ・ヴィンヤード サンタ・ルチア・ハイランズ 2008 蔵出し参考品

ピゾーニ・ヴィンヤードからのシャルドネとピノ・ノワールはピゾーニ・エステートの名称が付けられ、ピゾーニ・ワイナリーのトップ・キュヴェとして君臨します。ルチア・バイ・ピゾーニと称されたワインは、3つの自社畑から造られるワインで、ピゾーニ・ワイナリーの主力そして主体となるワインです。詳しくは下記 URL からどうぞ。

シャルドネ・エステート・キュヴェは、以前はサンタ・ルチア・ハイランズ・シャルドネという名称でしたが、完全に自社畑の葡萄から、ということで、2021年ヴィンテージからこの名称に変わりました。葡萄は自社畑ソベラネス・ヴィンヤードとピゾーニ・ヴィンヤードから。天然酵母で発酵。フレンチオーク(40%新樽)で12ヶ月熟成。柑橘系果実の綺麗なアロマ。クリーム・ブリュレのニュアンスも。リッチな味わいですが、綺麗で生き生きとした果実味が心地良いです。エステート・シャルドネ・ピゾーニ・ヴィンヤードはピゾーニ・ヴィンヤードから。ピゾーニ・ヴィンヤードの一番高い場所にシャルドネの小さな区画があります。4つのウェンテ・クローンがあるそうです。天然酵母で樽発酵。フレンチオーク(40%新樽)で12ヶ月熟成。ここまではエステート・キュヴェと同じですが、エステート・シャルドネはその後密閉のステンレスタンクで数か月熟成されます。複雑な風味を持つアロマ。力強い果実味で、がっしりした骨格を持ちます。僅か4樽だけの生産です。

ピノ・ノワール・エステート・キュヴェも、以前はサンタ・ルチア・ハイランズ・ピノ・ノワールという名称でしたが、完全に自社畑の葡萄から、ということで、2021年ヴィンテージからこの名称に変わりました。葡萄は自社畑ソベラネス・ヴィンヤード、ゲーリーズ・ヴィンヤード、ピゾーニ・ヴィンヤードから。15%全房。天然酵母で発酵。フレンチオーク(53%新樽)で11ヶ月熟成。カシスやブラックチェリーのアロマ。生き生きとした赤黒系果実の風味。重すぎず、バランスの取れた味わいです。ピゾーニ・ヴィンヤードの葡萄も多く使われているのに魅力的な価格です。ソベラネス・ヴィンヤードはサンタ・ルチア・ハイランズの中央部に位置する自社畑です。15haです。標高は40~130mの東向きのなだらかな斜面で、砂質ローム土壌の下には多くの岩が埋まっています。ソベラネス・ヴィンヤード・ピノ・ノワールは34%全房で、天然酵母で発酵し、フレンチオーク(48%新樽)で11ヶ月熟成です。ブルーベリーのアロマ。アーシーなニュアンス。リッチですが、フローラルで華やかな果実味です。ゲーリーズ・ヴィンヤードもサンタ・ルチア・ハイランズの中央部に位置する自社畑です。20haです。ソベラネス・ヴィンヤードのお隣です。やはり標高40~130mの東向きのなだらかな斜面ですが、土壌が少し違うとのことです。砕けた花崗岩が多い、古代の河の沖積ローム土壌とのことです。ゲーリーズ・ヴィンヤード・ピノ・ノワールは34%全房で、天然酵母で発酵し、フレンチオーク(55%新樽)で11ヶ月熟成です。ブルーベリーのアロマ。アーシーなニュアンス。非常に深みのある凝縮した果実味。ですが秀逸な酸が全体をまとめています。ちなみにゲーリーズ・ヴィンヤードは、この地でピゾーニ・ワイナリーと並び賞されるロアー・ワイナリーのゲーリー・フランシオーニと共同開発した畑です。2人のゲーリーの畑ということでゲーリーズです(1997年植樹)。

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そして “カリフォルニアのラ・タ―シュ” と言われた、ピゾーニ・ピゾーニ・ピノ・ノワール(業界用語?)です。エステート・ピノ・ノワール・ピゾーニ・ヴィンヤードはピゾーニ・ヴィンヤードのみから。1982年に植樹。サンタ・ルチア・ハイランズの最南端に近い、標高300~400mの高地に位置します。いくつかのブロックからセレクト。手摘みで収穫。厳しい選果。2022年は、45%全房(一部は全房)で、天然酵母で発酵し、フレンチオーク(65%新樽)で10ヶ月熟成です。ワイナリーはグラヴィティ・フロー(重力移動)で、伝統的なブルゴーニュの技法で醸造します。アンフィルターそしてアンファインにてボトリング。スミレやブラックチェリーのアロマ。スパイスのニュアンス。リッチで凝縮感のある黒系ベリーの果実味ですが、エレガントさも持ち合わせます。740ケースの生産です。ワイン・インディペンデントが97点を付けました。

Pisoni Estate
Pinot Noir 2008 P98
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ワイナリー蔵出しの2018年ヴィンテージはまだまだタイトな感じ。リッチな果実味が少し落ち着き出したという感じです。ちなみに2018年は9月に熱波がありましたが、その前に収穫は終えていたとのことです。最後にやはりワイナリー蔵出しの2008年ヴィンテージです。2008年ヴィンテージはワイナリー史上最高点のパーカー98点を獲得しています。少しオレンジが見える色合いです。ドライフルーツのニュアンス。ジンジャーのニュアンスも。ちなみに2008年は春の結実不良により非常に収量が少なかったとか。個人的にはもう少し若いヴィンテージのほうが好きですが、果実味はまだまだ元気です。貴重なテイスティングとなりました。余談ですが。実は、昨年ピゾーニ・ピゾーニ・ピノ・ノワールのファースト・ヴィンテージである1998年を飲みました。見事に果実味が生きていました。感動ものでした。

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ゲーリーさんは豪快?な方と聞いておりましたが。たしかにそんな感じです(苦笑)。今2人の息子が自分に代わり葡萄を育てワインを造り出しているので、自分の仕事は役目は「ワインを飲むことだけ」だそうです。2人の息子に凄く愛情を注いでいるのが分かります。そして信頼しています。自慢の息子なのですね。

Mr. Gary Pisoni ピゾーニ12

セミナー終了後お2人にご挨拶に。カバンから例のジャージを取り出し、ジェフさんにお見せすると、ジェフさんすぐに笑顔に。覚えてくれてました。「ご無沙汰です。2014年以来です。」「ご無沙汰です。覚えてるよ。」と。

隣で不思議そうな顔をしているゲーリーさんにめっちゃ早口で簡単にジャージの説明を。「ジェフさんのサインです。ビビアナさんのサインです。ロアーのニックさんのサインです。カレラのジョシュさんのサインもあります。サイン頂戴できますか?」「オー!ジャイアンツ!いいとも!」と。サインを書いてるゲーリーさんに恐る恐る野球見ますか?お好きですか?と聞くと「野球好きだよ!ジャイアンツ!」と。マジかよ。。。ホントかよ。。。なんか調子いいよな(苦笑)。。。とにかく快くサインしてくださったのでよかったです。サインの場所は大物醸造家のサインがあるジャージの内側に。写真お願いしますと言ったら、自分のサイン見せるわ見せるわ主張するわ(苦笑)。楽しい方です(再苦笑)。そしていつものスタイルで3人で記念撮影です。

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サイン
 サイン2

ゲーリーさんには「サインありがとうございます。Go! Pisoni and Go! Giants ですよ。」と。ジェフさんには「ビビアナさんによろしくお伝えください。」とお話してお別れしました。ジェフさんのサインはジャージの表の背中にあります。画像の左下です(赤丸印)。その下にビビアナさんのサイン。そしてジェフさんの右上に、今年2月に来日した、この地でピゾーニと共に並び賞されるロアー・ワインズの2代目ニック・フランシオーニさんのサインがあります。カリフォルニア最後の大物の来日サインをゲットして興奮の1日となりました(苦笑)。

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ピゾーニのワインはこちらからどうぞ・・・(売り切れのワインもございますが・・・)

【今年もなんとか入荷しました(苦笑もできない)・・・ですが相変わらずトップ・キュヴェの日本入荷は極々少量です・・・】(2024年10月7日)

昨年2月にビビアナさんと再会しました・・・

【 California Wines ALIVE Tasting 2024 】(2024年2月20日)

ジェフさんとビビアナさんの初来日しました・・・

【ジェフ・ピゾーニ氏来日!(ピゾーニ・ヴィンヤーズ)】(2014年4月10日)

 

 

 

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