ヴァイオレット・ガーギッチ女史来日!(ガーギッチ・ヒルズ・エステート)

実は20年振りのご対面でした。

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ご存じ、1976年パリ・ブラインドテイスティング(パリスの審判)の白ワイン部門で優勝したのがシャトー・モンテレーナの1973年ナパ・ヴァレー・シャルドネ。このワインを造ったのがミリェンコ・マイク・ガーギッジです。ルーロ Roulot の1973年ムルソー・シャルム、ジョセフ・ドルーアン Joseph Drouhin の1973年ボーヌ・クロ・デ・ム―シュ、ラモネ Ramonet の1973年バタール・モンラッシェを打ち破りました。パリスの審判の翌年にマイク・ガーギッチはヒルズ・ブラザーズ・コーヒーのオースティン・ヒルズと「ガーギッチ・ヒルズ・セラー」を設立しました。

そのマイク・ガーギッチ氏の愛娘で、現在ガーギッチ・ヒルズ・エステート(2007年に改名)で CEO と President を務めるヴァイオレット・ガーギッチ女史が来日しました。輸入元主催の試飲会に参加し、試飲会場ではブースに立ち、また小セミナーを行いました。

with Ms. Violet Grgich

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ヴァイオレットさんは21年振りの来日です。ヴァイオレットさんは2004年に NVV のメンバーの一員として来日しています。私その時お会いしています。私、ガーギッチ・ヒルズ・セラーが造り出した秘蔵のデザートワイン ”ヴィオレッタ” のファンでしたから、めちゃくちゃ興奮して会いに行きました。本日試飲会場でその時の写真をお見せするとヴァイオレットさんとても喜んでくださいました。「その写真撮らせて!」ってご自分のスマホでその写真撮ってました(苦笑)。お隣にいらしたご主人も大笑いしてましたね。(最後に21年前のツーショット写真あります。)

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シャルドネはもちろんヒュメ・ブラン(ソーヴィニヨン・ブラン)もグー。カベルネ・ソーヴィニヨンもグー。ですが、私、ここのジンファンデルがめっちゃ好きです(苦笑)。セミナーにも参加しました。ヴァイオレットさんから、父でありガーギッチ・ヒルズの創業者であるマイク・ガーギッチについてのお話がありました。そして現在のガーギッチ・ヒルズ・エステートについてのお話がありました。

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マイク・ガーギッジはクロアチア出身。デスネという小さい町で生まれ育ちました。当時水の質が良くなかったようで、2才からワインを水で割ったものを飲んでいたとか。大学に入学し、その大学の教授がアメリカに留学体験があり、アメリカなら夢が叶うよと言われ、アメリカへ渡る決心をしました。ボリュー・ヴィンヤード、ロバート・モンダビなどでワイン造りを学びワイン造りに携わりました。そしてジム・バレットに誘われて、創業したばかりのシャトー・モンテレーナに参加しました。パリスの審判で優勝したシャルドネはナパ・ヴァレーの畑とソノマの畑の葡萄をブレンドしたものでした。ちなみにシャトー・モンテレーナのシャルドネの初ヴィンテージは1972年です。2度目のリリースのシャルドネがブルゴーニュのグランクリュを打ち破りました。マイク・ガーギッチはパリ・ブラインドテイスティングの翌年にヒルズ・ブラザーズ・コーヒーのオースティン・ヒルズとガーギッチ・ヒルズ・セラーを設立しました。その日は独立記念日だったそうです。ちなみに、ワイナリー設立後に行われたテイスティングで、ガーギッチ・ヒルズ・セラーのシャルドネは221のシャルドネの中で第1位に選ばれたそうです。マイク・ガーギッチはキング・オブ・シャルドネと呼ばれました。

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テイスティングはこちらです。価格は輸入元上代税抜き価格です。

- Grgich Hills Estate -

 Estate Grown Cabernet Sauvignon Napa Valley 2019
★エステート・グロウン カベルネ・ソーヴィニヨン ナパ・ヴァレー 2019 ¥15,000
 Estate Grown Cabernet Sauvignon Yountville Old Vine Napa Valley 2019
★エステート・グロウン カベルネ・ソーヴィニヨン ヨントヴィル オールド・ヴァイン 2019 ¥42,000

セミナーは2種類のカベルネ・ソーヴィニヨンです。シャルドネ・イコール・ガーギッチのような印象がありますが、マイク・ガーギッチはカベルネ・ソーヴィニヨン造りにも秀でた才能を持ち合わせています。1960年代から70年代にかけて、ボリュー・ヴィンヤード、ロバート・モンダビ、シャトー・モンテレーナでマイク・ガーギッチが造り上げたカベルネ・ソーヴィニヨンは非常に高い評価を得ました。

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ガーギッチ・ヒルズ・エステートのワインは全て100%自社畑から造られます。現在ガーギッチ・ヒルズ・エステートは、カリストガ(34エーカー)、ラザフォード(17エーカー)、ヨントヴィル(63エーカー)、カーネロス(86エーカー)、アメリカン・キャニオン(121エーカー)に自社畑を持ちます。カリストガはジンファンデルが主体、ラザフォードとヨントヴィルはカベルネ・ソーヴィニヨンが主体、カーネロスとアメリカン・キャニオンはソーヴィニヨン・ブランとシャルドネが主体の畑です。全ての畑が、オーガニック認証の畑で、再生型農業を行っています。ナパ・ヴァレー・カベルネ・ソーヴィニヨンはヨントヴィルそしてラザフォードの畑から。82%カベルネ・ソーヴィニヨン、11%メルロー、5%カベルネ・フラン、2%プティ・ヴェルドで、フレンチオークで20ヶ月熟成です。カシスとブラックチェリーのアロマ。湿った葉や土のニュアンス。スパイス。ほのかなバニラ。生き生きとした果実味で、ナパにありがちな重みや甘みがあまり感じられません。ヨントヴィル・オールド・ヴァイン・カベルネ・ソーヴィニヨンは Regacy Tier と呼ばれるシリーズでワイナリーだけでの販売のワインです。ヨントヴィル・オールド・ヴァインはナパ・ヴァレーで2番目に古い樹齢のカベルネ・ソーヴィニヨンが存在する区画の1つから。1959年植樹のカベルネ・ソーヴィニヨンで、セント・ジョージの台木にイングルヌック・クローン(ニーバム・カベルネソーヴィニヨン #29)が植えられたカベルネ・ソーヴィニョンです。オーガニック認証ですが実際はビオデナミを実践しています。86%カベルネ・ソーヴィニヨン、8%プティ・ヴェルド、6%カベルネ・フランで、フレンチオーク(50%新樽)で20ヶ月熟成です。ローズヒップ、ブラッドオレンジ、ローズマリー、赤スグリなどの複雑味のアロマ。フレーヴァーを伴うふくよかな果実味はドライでタイトであり、かつ丸みがあり。したたかな凝縮感がありながらも非常になめらかな口当たりの味わいです。ちなみにこの畑のお隣?はあのドミナス・エステートの畑とか。

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ガーギッチ・ヒルズ・エステートは創業から一貫したスタイルのワインを造り続けています。100%自社畑からのワインはエレガントで、オールドワールドを彷彿させるような味わいです。ガーギッチ・ヒルズ・エステートは早くからオーガニック栽培を始めています。2006年からはバイオダイナミック栽培に切り替えました。2018年からは最新型農業である Regenerative Organic 再生可能型有機農業を始め、2023年に ROC ( Regenerative Organic Certified ) 認証を受けました。太陽光発電を行い(ソーラーパネルなど)、水を保全し節水し(基本無灌漑で土壌を育てる)、軽量ボトルを使用し(なんと390グラムとか)、サスティナブルな農法を実践しています。ガーギッチ・ヒルズ・エステートは再生農業のリーディング・ワイナリーとして知られています。

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セミナー終了後サイン頂戴しました。「もう1つお見せしたいものがあります。これです。」「ジャイアンツ(苦笑)」「全てカリフォルニアのワイナリーのナーナーとワインメーカーのサインです。サイン頂戴できますか。」「もちろん(苦笑)。ベス・ノヴァックとは仲良しよ。ジョン・ウイリアムズもいるのね(大苦笑)。オーガニック栽培の仲間よ。」「書くところがないので、内側にお願いします。」「ボー・バレットね。マイケル・モンダビとティム・モンダビも。カルロもいるのね。」「あなたの畑のお隣のクリスチャン・ムエックスさんもいます。」「みんな友達よ。」ということで笑顔でサイン書いてくださいました。そして2度目のツーショット撮影です(苦笑)。

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そして21年前の写真です(大苦笑)。

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2023年にマイク・ガーギッチ氏は享年100歳を迎えましたが、残念ですがその暮れにお亡くなりになりました。ご冥福をお祈り致します。

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【今年最初のご紹介は・・・ガーギッチ・ヒルズ・エステート】(2024年1月6日)

 

 

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