マイケルさんと2度目のご対面です!(クルーズ・ワイン)

今や幻のスパークリングワインとなった、あのウルトラマリンを造り出したマイケル・クルーズ氏が来日しました。輸入元主催のセミナーに参加しました。

マイケル・クルーズはソノマのぺタルマで育ち、UCバークレーで生化学を学びました。その頃から料理やワインに興味を持ちだしたマイケルはUCデイヴィスを受験しました。入学までの間ナパのサターホーム(ホワイト・ジンファンデルで有名)でアルバイトをしていたのですが、結局UCデイヴィスに通うことなくサターホームで働き続けました。その後ナパ・カーネロスのスターモント(メリーヴェル)に移り、ワインメーカーに就任しました。この頃から自分のワイナリーを持つことを考え始めました。人と同じことをしたくないと考えたマイケルはスパークリングワイン造りを目指しました。なんとマイケルはスパークリングワイン造りを19世紀に書かれたフランスの本で独学。数々の失敗を重ね、そして出来上がったのがウルトラマリンというスパークリングワインです。シャンパーニュのレコルタン・マニュピュランをイメージした、単一畑、単一年号の香り高いスパークリングです。あの高名なワイン評論家はこのスパークリングを高く評価しませんでしたが、ニューカリフォルニアワインと言われる新潮流ワインを求めるワインファンの間でじわじわと人気が広まりました。2013年マイケル・クルーズはスターモントを退社し、ぺタルマに「クルーズ・ワイン」を設立。

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もう彼を知らない方もいないでしょうから(苦笑)、自己紹介も簡単に済ませ、本日はテイスティングをしながらワインについて質疑応答そしてディスカッションするという形式で行いました。すぐにテイスティングが始まりました。

ワインはこちらです。(価格は輸入元上代税抜き価格です。)

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- Cruse Wine –

 St. Laurent Ricci Petillant Naturel Carneros 2022
★サン・ローラン ペティヤン・ナチュレル カーネロス 2022 ¥5,900
 White Zinfandel Petillant Naturel Mendocino 2022
★ホワイト・ジンファンデル ペティヤン・ナチュレル メンドシーノ 2022 ¥6,200
 Valdiguie Demo Series Sparkling Wine Napa Valley 2019
★ヴァルディギエ デモ・シリーズ スパークリングワイン ナパ・ヴァレー 2019 ¥8,900
 Cruse Tradition Sparkling Wine California NV (2019)
★クルーズ・トラディション スパークリングワイン カリフォルニア NV ¥8,500
 Reserve Cask Demo Series Sparkling Wine California NV (2018)
★リザーブ・カスク デモ・シリーズ スパークリングワイン カリフォルニア NV ¥14,000
Cruse Tradition Rose Sparkling Wine California NV (2019)
★クルーズ・トラディション ロゼ スパークリングワイン カリフォルニア NV ¥10,000
 Ultramarine Blanc de Blancs Sparkling Wine Charles Heintz Vineyard Sonoma Coast 2017
★ウルトラマリン ブラン・ド・ブラン スパークリングワイン チャールズ・ハインツ・ヴィンヤード ソノマ・コースト 2017
 Ultramarine Rose Sparkling Wine Charles Heintz Vineyard Sonoma Coast 2017
★ウルトラマリン ロゼ スパークリングワイン チャールズ・ハインツ・ヴィンヤード ソノマ・コースト 2017

先ずはユニークなペティヤン・ナチュレルです。サン・ローランは東欧、特にオーストリアでは重要視されている葡萄です(フランスおよびドイツの一部にも存在。ドイツ語ではザンクト・ラウレント。)東欧ではピノ・ノワールのような個性(みずみずしい果実味とやや低い天然のタンニン)を持つ葡萄として知られています。カリフォルニアではもちろん希少な存在です。カーネロスのリッチー・ヴィンヤードから。ドサージュは 0g/L で、ティラージュは12ヶ月です。淡いサーモンピンク色。果実をそのまま楽しめるかのような優しく生き生きとした味わいです。ホワイト・ジンファンデルはメンドシーノの、標高600mのオーガニック認証畑イーグル・ポイント・ランチから。樹齢は40年前後です。50%は足踏み破砕しプレスしました。シャンパーニュ同様のプレスで、キュヴェのみを使用。ドサージュは 0g/L で、ティラージュは6ヶ月です。ホワイト・ジンファンデルというとロゼを思い浮かべるかたも多いと思いますが、これはロゼではありません。色調は淡いサーモンピンクではありますが。サンローランと比較するとやや甘味ややコク味を感じます。デモ・シリーズは毎年実験的に少量だけ仕込んでいるワインを商品化させたワインです。ヴァルディギエ(デモ・シリーズ)は通常ペティヤンのみを生産する畑の葡萄から実験的に瓶内2次発酵を行ったスパークリングワインです。100%ヴァルディギエで、キュヴェと少量のタイユ、セニエを使用。ドサージュは 6g/L で、ティラージュは30ヶ月です。スモモやレッドチェリーの赤い風味を感じます。ALC12% です。共に王冠で封印。

クルーズ・トラディションはウルトラマリン誕生後に新たにシャルドネとピノ・ノワールからシャンパーニュ製法(瓶内2次発酵)により作り出した本格派スパークリングワインです。伝統的なシャンパーニュ方式で圧搾。一番搾りのキュヴェだけを使用。それぞれの畑の葡萄は別々の樽で野生酵母のみで発酵させ、自然発生のマロラクティック発酵を行いました。CO2 二酸化硫黄は添加していません。クルーズ・トラディションは73%シャルドネ、27%ピノ・ノワールで、2019年のワインがベースで、リザーブワインを10~20%ブレンドしました。ドサージュは 0g/L で、ティラージュは18ヶ月です。ALC13% です。1つ飛んで、クルーズ・トラディション・ロゼも2019年のワインがベースで、68%ピノ・ノワール、32%シャルドネで、レッドワインを7%ブレンドしました。ドサージュは 2g/L で、ティラージュは24ヶ月です。ALC13% です。凝縮感ありますが、果実のウエイト(ボリューム)と心地良い酸がとてもバランスよく仕上がっています。リザーブ・カスク(デモ・シリーズ)は70%シャルドネ、30%ピノ・ノワールで、19年ベースのクルーズ・トラディションに使用したリザーブワインを20%ほどブレンドしました。ドサージュは 0g/L で、ティラージュは24ヶ月です。ALC12,5% です。クルーズ・トラディションがさらに凝縮したような味わいです。ほのかに印象的に塩味?を感じます。多めのリザーブワインから来るものでしょうか。

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そしてウルトラマリンです。ブラン・ド・ブランはシャルドネのグランクリュ畑として非常に高い評価を得ているチャールズ・ハインツ・ヴィンヤードからの100%シャルドネです。樹齢は40年近くです。ドサージュは 2g/L で、ティラージュは40ヶ月です。ALC12,5% です。エレガントですが、ふくよかで複雑味を感じます。ウルトラマリンのロゼは同じくチャールズ・ハインツ・ヴィンヤードからで、73%ピノ・ノワール、27%シャルドネで、レッドワインを10%前後ブレンドしているようです。ドサージュは 6g/L で、ティラージュは40ヶ月です。ALC12,5% です。こちらもエレガントですが、ふくよかで複雑味を感じます。共にクルーズ・トラディションよりはタイト(引き締まった)な感じです。共にルミアージュとデゴルジュマンは手作業で行っています。現在はチャールズ・ハインツの他に2つの畑の葡萄からウルトラマリンを作り出しています。またマイケルさんのお話だと、ウルトラマリンのベスト・ヴィンテージ(印象的なヴィンテージ)は、2011年、2016年、2023年とのことです。恵まれ過ぎたテロワール(苦笑)のカリフォルニアでのスパークリングワイン造りは、長所である果実味を表現しながらも、強く主張しない果実味を作り出すことが理想であると。あえて酸化のニュアンスを持たせる、またはあえて酸化のニュアンスを抑える、という酸化と還元のコントロールがポイントになるようです。

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セミナーを終えてマイケルさんにご挨拶を。「マイケルさん、これ覚えてますか?」「おお!覚えてるよ!」と。「サインはここです。」「これだね。」と。サインは一緒にスパークリングワイン造りに試行錯誤した、モーガン・ピーターソン(ベッドロック)さんのそばにあります。「ちなみにここにジャスミンさん(ハ―シュ・ヴィンヤーズ)のサインもありますよ。ジャスミンさんによろしくお伝えください。」と言ったら、マイケルさん苦笑していました。裏話です。

 サイン
マイケル・クルーズ7 マイケル・クルーズ9

#Cruse Wine
#Ultramarine
#Sparkling Wine

【マイケル・クルーズ氏来日!(クルーズ・ワイン、ウルトラマリン)】(2019年2月27日)

 

 

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