ポール・ロバーツ氏来日!(コルギン)

ロバート・パーカーに”葡萄栽培の桃源郷”と言わしめた、ナパ・ヴァレー、プリチャード・ヒルにあるナンバー・ナイン・エステート IX Estate から究極の優美さを持つワインを造り出している「コルギン Colgin Cellars」。

2013年に「コルギン」の社長に就任したポール・ロバーツ氏が2年ぶりに来日しました。ポール・ロバーツ氏はアメリカ・ソムリエ業界の最高権威コート・オブ・マスター・ソムリエでもあります。輸入元主催のセミナーに参加してきました。

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テイスティングはこちらです・・・

Colgin Cellars Cariad Red Wine Napa Valley 2012
★コルギン カリアド レッド ナパ・ヴァレー 2012 WA98
Chateau Mouton-Rothschild “Premier Grand Cru Classe” 2012
★シャトー・ムートン・ロートシルト 2012 WA94
Dana Estate Helms Vineyard Cabernet Sauvignon Napa Valley 2012
★ダナ・エステート ヘルムズ・ヴィンヤード カベルネ・ソーヴィニヨン ナパ・ヴァレー 2012 WA98
Colgin Cellars IX Estate Red Wine Napa Valley 2012
★コルギン ナンバー・ナイン・エステート レッド ナパ・ヴァレー 2012 WA99
Kongsgaard Syrah Napa Valley 2013
★コングスガード シラー ナパ・ヴァレー 2013 WA98
Colgin Cellars IX Estate Syrah Napa Valley 2012
★コルギン ナンバー・ナイン・エステート シラー ナパ・ヴァレー 2012 WA98

今回はコルギンだけでのテイスティングではなく、他のプレミアムワインと比較試飲することでコルギンの個性を見出そうというテイスティングです。まずはカベルネ・ソーヴィニヨン主体の4つのワインです。コルギンのカリアド・レッドは、セントヘレナ西のマドロナ・ランチの葡萄を主体にしたワインです。2012年は、53%カベルネ・ソーヴィニヨン、26%メルロー、12%カベルネ・フラン、9%プティ・ヴェルドです。やや青い果実を感じる、ボルドー・グラーブを思わせる風味。ドライですがスムースな果実味で、ミネラルもあり綺麗な酸もあります。そしてボルドー1級のシャトー・ムートン・ロートシルトです。2012年は、90%カベルネ・ソーヴィニヨン、8%メルロー、2%カベルネ・フラン。ハーブ、スパイス、カラントの香り。まだまだ閉じたクールな印象ですが、ブラックフルーツの風味が満載です。カリフォルニアの後のボルドーですから、やはりドライな印象を受けてしまいますが。リリースから2ヴィンテージ目でパーカー100点を獲得したダナです。ダナはナパ・ヴァレーに3つの自社畑を持ちます。ヘルムズはラザフォードの畑。2012年は、100%カベルネ・ソーヴィニヨンです。ブルーベリー、ブラックベリーの、濃厚ですがジャミーなジューシーな果実味。ラザフォードらしい土っぽさもあります。最後はコルギンの自社畑からナンバー・ナイン・エステート・レッドです。2012年は、62%カベルネ・ソーヴィニヨン、19%メルロー、11%カベルネ・フラン、8%プティ・ヴェルド。自社畑は鉄分を多く含む赤色の土壌。野生のハーブを思わせる凝縮した果実味が口の奥まで広がります。しかしスムースさやバランスの良さも感じさせます。それぞれテロワールを上手に表現していますが、カリアドとムートンはハーブの風味が特徴で、ダナとナンバー・ナイン・エステートは凝縮した果実味が特徴です。また、ムートンとダナがカベルネ比率が高いのに対して、コルギンは60%前後ということで、ブレンドによる優雅さやエレガントさが見られます。そしてシラーの比較試飲です。コングスガードはナパ・カーネロスのグランクリュ畑ハドソンから。100%シラー。ハーブ系のアロマティックな風味で、少し青さやクールさ(冷涼さ)な風味も。凝縮した果実味ですが洗練された仕上がりになっています。コングスガードもシラーはやはり凄いです。コルギンは自社畑からナンバー・ナイン・エステート・シラーです。100%シラー。コルギンは50haの土地を所有しますが、畑は僅か8haで、うち6haがカベルネ、2haがシラーです。またあまり強過ぎるワインを造りたくないため、畑は東向きの斜面になっています。スパイスやスモーキーさを感じさせる凝縮した果実味ですが、丸みのある優しさも感じ、余韻には出汁の旨味を感じさせます。カリフォルニアのシラーはオーストラリアからのクローンが多いようですが、コングスガードとコルギンは共にコート・ロティとエルミタージュのクローンからで、ゆえに力強さだけでなく繊細さも兼ね備えた味わいになっているようです。(下記画像はコングスガードのシラーが抜けておりました・・・涙)

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ポールさんとは6度目のご対面となりました。セミナーがはじまる前にトイレの通路でばったり遭遇(笑)。「ハイ!」「ポールさん、ご無沙汰です。」「ジャイアンツ負けたね・・・・」「残念です・・・」と恒例のご挨拶でした(再笑)。今日は時間がなくセミナー途中で退出。ポールさんと握手をしてお別れしました。残念ながら今回は恒例のツーショット写真はございません(涙)。

コルギンは現在パーカー100点を12個獲得しています。他のナパのいわゆるカルトワインとは違い、(余計な重さのない濃さのない)ピュアでエレガントでバランスのとれた味わいを持ちます。オーナーのアン・コルギン女史は前回来日の際に「ナパ・ヴァレーのパワーを持ちながら、女性的なニュアンスを入れたい」とコメントしました。2016年で25周年を迎え、ますますエレガントさに磨きがかかるコルギンです。

【アン・コルギン女史来日!(コルギン)】(2014年12月2日)

 

 

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