エリザベス女王から「sir」の称号を授与されたピーター・マイケル卿。1982年にカリフォルニアに移住し、以後ワールドクラスのワインを作り続けています。現在ワイナリーの総指揮を執るポール・マイケル氏が来日しました。
輸入元のご招待を受け、ポールさんを囲んで10名でお食事をしてきました。場所はザ・リッツ・カールトン東京、日本料理「ひのきざか」(45階)です。ギリギリに到着。でも一番乗りでした(笑)。まもなくしてポールさんが登場。お食事の前にご挨拶です。
「ワイナリーにお邪魔しました。実は裏口からだまって入り込みました。セラーワーカーの方がいて、ちょっと見学してもいいですかとたずねたら、いいよと言ってくださったので・・・」
ポールさん大笑い。そしてその時撮った3枚の写真をお見せしました。
素敵なお料理をいただきながら頂戴したワインはこちらです・・・(すいません、お料理のリスト持ち帰るの忘れました・・・)ポールさんからはワイン造りや畑のお話をお聞きしました・・・
Peter Michael “Belle Cote” Chardonnay Knights Valley
★ピーター・マイケル ベル・コート シャルドネ 2011
Peter Michael “Ma Danseus” Pinot Noir Sonoma Coast
★ピーター・マイケル マ・ダンスーズ ピノ・ノワール 2011
Peter Michael “L’Esprit des Pavots” Red Wine Knights Valley
★ピーター・マイケル レスプリ・デ・パヴォ レッド 2010
Peter Michael “Les Pavots” Red Wine Knights Valley
★ピーター・マイケル レ・パヴォ レッド 2010
ピーター・マイケルのワインにはフランス語の名前が付けられています。これはやはりイギリス人ならではの思いのようです(昔ボルドーはイギリス領の時代がありました)。素晴らしいですね!一度飲んだら忘れられないワインになってしまうピー・マイ(業界的略語・・・笑)のワインです!
ワインは全てエステート・ワインです。シャルドネの畑で一番古い畑がベル・コート(美しいスロープ)。蜜を思わせる果実味ですが、非常にクリスプ。香り、味わい、全てのバランスが最高。ピーター・マイケルは1999年からピゾーニ・ヴィンヤード(サンタ・ルシア・ハイランズ)のピノ・ノワールを生産していますが、ソノマ・コーストに土地を購入してエステートのピノ・ノワールを造り始めました。「Clos du Ciel」「Le Caprice」「Ma Danseuses」です。マ・ダンスーズ(私のダンサー)は赤い果実味が華やかながら、1本筋の通った、骨格のある味わいです。お刺身と一緒に頂戴しましたが、和食との相性も良いです。カリストガの北、ナパとソノマの境界線に位置するナイツ・ヴァレーの山肌の斜面に切り開いたピーター・マイケル最初の畑がレ・パヴォ。カベルネ・ソーヴィニヨン、カベルネ・フラン、メルロー、プティ・ヴェルドが植えられています。そして他の畑にはみられないことですが、レ・パヴォにはソーヴィニヨン・ブラン、セミヨンも植えられています。レ・パヴォはポピー。カリフォルニアの州花で、ピーター・マイケルのシンボルマークになっています。セカンド的存在のレスプリ・デ・パヴォ、そしてトップキュヴェのレ・パヴォを頂戴しました。共にボルドー・ブレントのスタイルで醸造も全く同じですが、レスプリはカベルネ・フランとカベルネ・ソーヴィニヨンが同量くらいで主体となっています。レ・パヴォはカベルネ・ソーヴィニヨンが主体です。美味いです!旨いです!しっかりとした味付けの和食ともとても相性が良いと思います。
ポールさんはちょっとクールというか物静かな感じの方です。悪い意味ではなく、ジェントルマンなんです。まさに英国紳士です。ポールさんがアメリカに来たのは17歳の時。サンフランシスコからピカピカのブルーのリムジンでソノマへ。そしてナイツ・ヴァレーに着くと、そのリムジンはなんと埃だらけで、しかもボディは石とか砂利とかでボコボコ状態に。とんでもないところに来たもんだと思ったとのことです。ピーター・マイケルのおかげで一躍有名になったナイツ・ヴァレー。当時はナイツ・ヴァレーに足を踏み入れる人などいなかったようです。イギリスから来たやつがナイツ・ヴァレーでおかしなことを始めたぞと一気にうわさが広まったとのことです。
ポールさんと・・・ |
「ピノ・ノワールのクローンはなんですか?」「クローンという言葉は好きじゃない。研究者が使う言葉みたいだろ。いろいろ植えてみて、いいものを増やしていったんだよ。フィールドセレクションって呼んでいる。」
「去年2002年のレスプリ・デ・パヴォを飲みました。ちょうど10年経過です。本当はもう少し早く開けたほうが良かったかと思っていましたが、ちょうど良かったです。」「いや、まさにベストだよ、レスプリは。ル・パヴォはもちろんもっと大丈夫さ。」
そしてお別れの時に・・・
「今度はちゃんと連絡くれよ。畑を案内するよ。」「本当ですか?ありがとうございます。」「表から入ってくれよ。」「わかりました(笑えない)。」
ポールさん、ベースボールよりやっぱりサッカーのが好きかも(笑)・・・
Mr. Paul Michael |
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【sir ピーター・マイケルの息子ポール・マイケル氏来日! そしてピー・マイの新ピノ・ノワールが来たぁ~!】(5月23日公開)
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【一度飲んだら忘れられないワインになってしまいます・・・】(2012年10月9日配信)