フランスではシャトー・ペトリュスで伝統的な手法を学び、カリフォルニアではドミナス、ラッドのワインを確立させた、カリフォルニアを代表する大物醸造家の1人、デヴィッド・レミー氏。「レミー・ワイン・セラーズ」より副社長デヴィッド・フィッシャー氏が来日しました。本日輸入元主催のセミナーに参加してきました。
デヴィッド・レミーは、UCデイヴィス卒業後フランスに渡りました。1979年シャトー・ペトリュスでハーベストを体験しました。帰国後シミ(ソノマ)のゼルマ・ロング女史の元でワイン造りを学びます。ゼルマ・ロング女史は女性醸造家のパイオニアで、ロバート・モンダビのカベルネを築き上げた方です。デヴィット・レミーは彼女から多大な影響を受けたようです。その後数年間マタンザス・クリーク(ソノマ)でワイン造りに携わったデヴィッド・レミーは再びフランスに渡り、シャトー・ペトリュスでワイン造りを学びました。帰国後1990年からチョーク・ヒルのワインメーカーに就任。ここでのワイン造りが非常に高い評価を得て、デヴィッド・レミーの名は一躍有名になりました。1996年からはドミナス(ナパ)でエグゼクティブ・ワインメーカーを務め、1998年からはラッド・エステート(ナパ)でも醸造責任者を務めました。そして、1996年デヴィット・レミーはレミー・ワイン・セラーズを立ち上げました。2002年ラッド・エステートを去り、以降自身のワインに専念しています。
来日されたデヴィッド・フィッシャーはリッツカールトンでソムリエとして働いた後ジョーダン(ソノマ)でワイン造りに携わりました。ソムリエ時代は、デヴィッド・レミーがマタンザス・クリークで造ったワインが非常にお気に入りだったとか。デヴィット・フィッシャーとデヴィッド・レミーは2人で少量のワインを造り出しました。それがレミー・ワイン・セラーズです。
レミー・ワイン・セラーズは、シャルドネとカベルネ・ソーヴィニヨンにフォーカスします。かつては”シャルドネ四天王”とも呼ばれたレミーのシャルドネ。伝統的手法に基づいた、エレガントでリッチで酸のあるシャルドネを造り続けています。葡萄は、カーネロス(ナパ)、ルシアン・リヴァー・ヴァレー(ソノマ)、ソノマ・コースト(ソノマ)から。天然酵母で全房発酵。フレンチオークにて熟成させ、自然なマロラクティック発酵を行います。少しの清澄。濾過はなし。カベルネ・ソーヴィニヨンはナパ・ヴァレー各地の葡萄を使用。フレンチオークとアメリカンオークを巧みに使い分け、エレガントで次元の高いバランスを持つワインを造り出しています。
テイスティングはこちらです・・・(金額は輸入元定価です・・・)
Ramey Chardonnay Sonoma Coast
★レミー シャルドネ ソノマ・コースト 2010 ¥5,300(税別) WA92
Ramey Chardonnay Russian River Valley
★レミー シャルドネ ルシアン・リヴァー・ヴァレー 2010 ¥5,800 WA92
Ramey Platt Vineyard Chardonnay Sonoma Coast
★レミー プラット・ヴィンヤード シャルドネ ソノマ・コースト 2010 ¥8,800 WA95
Ramey Ritchie Vineyard Chardonnay Russian River Valley
★レミー リッチー・ヴィンヤード シャルドネ ルシアン・リヴァー・ヴァレー 2009 ¥8,800 WA94
Ramey Hyde Vineyard Chardonnay Carneros
★レミー ハイド・ヴィンヤード シャルドネ カーネロス 2010 ¥8,800 WA94+
Ramey Hyde Vineyard Chardonnay Carneros
★レミー ハイド・ヴィンヤード シャルドネ カーネロス 2005 参考品
Ramey Hyde Vineyard Chardonnay Carneros
★レミー ハイド・ヴィンヤード シャルドネ カーネロス 2005 マグナムボトル 参考品
Ramey Claret Napa Valley
★レミー クラレット ナパ・ヴァレー 2012 ¥6,000 WA90-92
Ramey Cabernet Sauvignon Napa Valley
★レミー カベルネ・ソーヴィニヨン ナパ 2009 ¥8,000 WA93
ソノマ・コースト・シャルドネとルシアン・リヴァー・ヴァレー・シャルドネは、ブルゴーニュで言えば村名からプルミエくらいの品質です。それぞれいくつかの畑をブレンドしています。プラット・シャルドネは2009年が初リリースとなる、レミーの新しいシャルドネです。2003年に入植され、ソノマ・コースト・シャルドネに使われていましたが、樹齢を重ねデビューとなりました。ミネラルもありますが、清涼感があり非常にドライな味わいです。リッチー・シャルドネはレミーの看板シャルドネの1つ。ケント・リッチーが1972年に入植したルシアン・リヴァー・ヴァレーの銘醸畑から。ウェンテ・クローンの区画で、十分なフルーツとミネラルがありますが、エレガントさも持ち合わせます。ハイド・シャルドネはレミーのシャルドネを象徴するワインで、1996年のレミー初年度から生産されています。ハニーサックルや白い花の上品な香り。したたかな芳醇さを持ちますが繊細でエレガントな味わいです。2010年、そして2010年と比較的似た気候だった2005年を比較しました。さらに2005年はレギュラーボトルとマグナムボトルでの比較も。2005年のレギュラーボトルは甘栗のような香りがあり、すでに熟成感がありましたが、2005年のマグナムはまだまだフレッシュな風味さえ感じ、綺麗に熟成していました。
クラレットは、ボルドーで言えばサード・ワイン的存在のワインです。ナパ・ヴァレー各地のボルドー5品種の葡萄をブレンド。さらに、19世紀のボルドーの手法に倣い少量のシラーをブレンドしています。フレンチ&アメリカンオーク(25%新樽)にて12ヶ月の熟成。フレッシュな赤黒系果実の風味で、綺麗な酸が口中を引き締めます。カベルネ・ソーヴィニヨンは、96%カベルネ・ソーヴィニヨンで、残り4%がカベルネ・フラン、メルロー、プティ・ヴェルドです。フレンチ&アメリカンオーク(67%新樽)にて24ヶ月の熟成。ブラックカラント、ブルーベリーの濃厚な香りですが、香りの印象とは異なり味わいは凝縮していますがドライで、エレガントささえ感じます。美味しいフレンチを彷彿させるカベルネです。
セミナーが終わり、恒例のツーショット撮影です・・・といきたかったのですが、今日は夕方の仕事がたくさんありまして・・・4時30分終了のところ4時に退出しました(涙)・・・席からデビット・フィッシャー氏を撮りましたので・・・
2001年ラッド・エステート訪問。当時ラッドでワインメーカーを務めていたデヴィッド・レミー氏と地下セラーでディナーを頂戴しました。ラッド、そしてレミーのワインを頂戴しました。今や幻、当時デヴィット・レミー氏が造る赤ワインの代名刺とも言われたジェリコ・キャニオン・レッドワインを樽出しで頂戴しました。この味わいが忘れられません。デヴィット・レミー氏とは是非もう一度お会いしたいです。(あの頃はサイン収集していなかったので・・・)サインちょうだ~い。
【是非もう一度お会いしたいです・・・デヴィッド・レミーが造る極上のワインです!】(2012年9月25日配信)