ジョエルさん、モーガンさん、クリスさん来日!(ベッドロック、ワンス&フューチャー)

ジョエル・ピーターソン氏、モーガン・ピーターソン氏、クリス・コトレル氏が来日しました。憧れワインメーカーの1人であるジョエルさんとは3度目のご対面。ちょっと久しぶりの懐かしいご対面です。モーガンさんとクリスさんとは2度目のご対面です。3人が造る「アンダー・ザ・ワイヤー」「ベッドロック」「ワンス&フューチャー」のセミナーに参加しました。何度も日本を訪れている3人ですが、親子揃ってで来日し一緒にセミナーに参加するのは日本では初めてです。ちょっと興奮でした(笑)。

(本日のブログには書きたいことがたくさんあり過ぎて・・・少々省略してのお話になります・・・詳しくはメルマガからご覧ください・・・)

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”The Godfather of ZIN” と呼ばれるジョエル・ピーターソン氏。1976年僅か327ケースのジンファンデルを造り出し、「レイヴェンズウッド」を設立。ボルドーやブルゴーニュの偉大なワインに造詣が深かったジョエル氏ですが、当時フランスワインのような偉大なワインを生産できる葡萄樹がなかったと。唯一テロワールを表現できるのがジンファンデルであったと語っています。2001年にブランドを売却。レイヴェンズウッドで拘ったドライファームの畑、オーガニックの古樹、天然酵母発酵、伝統的醸造に回帰するために「ワンス&フューチャー」を立ち上げました。

ジョエル・ピーターソン氏の息子モーガン・ピーターソン氏。5歳でブラインドテイスティングでメルローとジンファンデルをききわけ、デュジャックの全房発酵を学びピノ・ノワールを造り上げたというまさに神童でした。2007年に「ベッドロック」を設立。2015年サンフランシスコ・クロニクル紙でワインメーカー・オブ・ザ・イヤーに選出されました。2016年2つのシラーでパーカー100点を獲得。2017年カリフォルニアのワインメーカーで初のマスター・オブ・ワインを取得。そして昨年のWS誌年間トップ100ワインでは自社畑からのフラッグシップ的存在のワインが遂にトップ10にランクインしました。まさに新世代カリフォルニアワインの筆頭生産者です。

モーガンのニューヨーク在住時代の友人であるクリス・コトレル氏は共同オーナーとしてモーガンと一緒に「アンダー・ザ・ワイヤー」を造り出しています。

【ワインメーカー・オブ・ザ・イヤーに輝いた、注目のワインメーカーが来日しました!】(2016年2月4日配信)

【SFジャイアンツ優勝記念特別セール!レイヴェンズウッド】(2010年11月11日)

左からクリスさん、
ジョエルさん、モーガンさん
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先ずはクリスさんから「アンダー・ザ・ワイヤー」についてお話がありました。ジャック・セロスやユリス・コランなどのレコルタン・マニュピュランのシャンパーニュ(自社畑、自社醸造)に憧れたクリスとモーガンはカリフォルニアでファイン・スパークリングを造ることを決意しました。2011年にスタート。1つの畑、1つの品種、1つの年号にフォーカスします。アンダー・ザ・ワイヤーには2つの意味があります。1つはそのままの意味でミュズレ(コルクとボトルを留める針金)。もう1つは英語の表現で「ギリギリ間に合った」という意味。葡萄が酸と成熟のちょうど良いギリギリのタイミングで収穫するという信条を表しています。非常に少量の生産です。

そしてモーガンさんから「ベッドロック」についてお話がありました。ベッドロックではカリフォルニア各地の古樹の葡萄を使ったワインを造り出しています。モーガンは毎年定期的に古樹の葡萄を使うことで、その畑の所有者が畑を守り維持するので、結果古樹の畑が見直され、大切にされ、維持され、次に受け継がれることに貢献できると考えています。モーガンは、父ジョエルを監修に迎え、若手ワインメーカーやオーナー達と非営利団体 “Historic Vineyard Sociaty” を主催し、カリフォルニアの古樹を守り伝える活動もしています。

最後にジョエルさんから「ワンス&フューチャー」についてお話がありました。2001年にコンステレーションにレイヴェンズウッドを売却した時には年産44万ケースでした。ジョエルさんはワインメーカーとして残り、生産量は100万ケースを超えました。昔は手も足も葡萄の汚れだらけでワイン造りをしていたジョエルさんは「ちょっと違うかな」と思い、「自然に帰る」ことを決意しました。レイヴェンズウッドで初期に行っていた信念、ドライファームの畑、オーガニックの古樹、天然酵母発酵、昔ながらの醸造方法という思いに戻り、ワンス&フューチャーを立ち上げることを決意しました。

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テイスティングはこちらです・・・(価格は輸入元税抜定価です・・・)

 Under The Wire Sparkling Wine Chardonnay Brosseau Vineyard Chalone 2014
★アンダー・ザ・ワイヤー スパークリングワイン シャルドネ ブロッソー・ヴィンヤード シャローン 2014 ¥9,000
 Bedrock Riesling Wirz Vineyard Cienaga Valley 2017
★ベッドロック リースリング ウィルツ・ヴィンヤード シエネガ・ヴァレー 2017 ¥4,500
 Bedrock Old Vine Zinfandel California 2017
★ベッドロック オールド・ヴァイン ジンファンデル カリフォルニア 2017 ¥4,800
 Bedrock The Bedrock Heritage Red Wine Sonoma Valley 2017
★ベッドロック ザ・ベッドロック・ヘリテージ レッドワイン ソノマ・ヴァレー 2017 ¥8,000
 Once & Future Zinfandel Bedrock Vineyard Sonoma Valley 2016
★ワンス&ヒューチャー ジンファンデル ベッドロック・ヴィンヤード ソノマ・ヴァレー 2016 ¥8,500
 Once & Future Petite Sirah Palisades Vineyard Napa Valley 2016
★ワンス&フューチャー プティ・シラー パリセーズ・ヴィンヤード ナパ・ヴァレー 2016 ¥10,000

アンダー・ザ・ワイヤーのシャルドネ・スパークリングはモントレーの奥地のAVAシャローンに位置するブロッソ―・ヴィンヤードから。1980年植樹。石灰岩が多く含まれた土壌で、カリフォルニアでは希少な畑。ドライファーミング。自根。天然酵母のみで発酵、数年使いのフレンチオークで約8ヶ月熟成(MLFなし)。2015年春に瓶詰めし瓶内2次発酵を行い澱と共に23ヶ月熟成。2017年春にデゴルジュマンを行い、ドサージュは1g/L以下。1年間の瓶熟成。イースト香などが香り高く、カリフォルニアの果実味を感じながらもしっかりとした酸を持ち非常にドライな仕上がりになっています。ベッドロックはジンファンデル主体の赤ワインの生産が主ですが、少量の希少な白ワインも生産しています。ベッドロックのウィルツ・ヴィンヤード・リースリングはモントレーの奥地のAVAシエネガ・ヴァレーから。カレラのAVAマウント・ハーランが西側に隣接します。石灰岩と花崗岩の風化堆積した土壌。1963年植樹の古樹。自根。ドライファーミング。オーガニック栽培。低収量。混植されているフランケン・リースリング(シルヴァネール)が少量混じる。天然酵母で発酵。数年使いの樽で発酵し熟成(6~8ヶ月)。さまざまな花のアロマ。非常に旨味のあるなめらかなアタックでミネラル満載。現在でも十分美味しいですが、熟成させてみたい逸品です。オールド・ヴァイン・ジンファンデルはベッドロックの中では比較的生産量の多いワインですが、大人気のワインですので「見かけたら必ず入手しよう(ロバート・パーカー)」と言われるワインです。まさにベッドロックのフィンガープリント(名刺代わり)とのこと。ソノマ、コントラ・コスタ、ロダイなどの厳選された畑から。2017年は、86%ジンファンデル、5%プティ・シラー、5%カリニャンで、残りはアリカンテ・ブーシュ他。平均樹齢は80年。フレンチオーク(約10%新樽)で約10ヶ月熟成。イタリアのアマローネのようなアロマ。ブラックベリーなどの濃縮した黒系の果実味ですが、心地良いしっかりとした酸が全体をまとめ、非常にデリケートでエレガントです。毎年使用する畑は変わりますが、逆にヴィンテージによって違うことでカリフォルニアのジンファンデルのテロワールを表現したいとのことです。ベッドロックの中ではかなりお安いお得な価格ですが、そのクオリティは素晴らしいワインです。

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ベッドロックのフラッグシップワインと言えるのがザ・ベッドロック・ヘリテージ・レッドワインです。自社畑ベッドロック・ヴィンヤードから。ベッドロック・ヴィンヤードはピーターソン家が2005年に取得した畑で、ソノマの中でも150年以上も葡萄栽培が続けられている歴史的な畑です。2017年は、55%ジンファンデル、15%カリニャン、10%マタロで、その他20%は24品種です。混植された葡萄を混醸します。凝縮した赤黒系果実の果実味は、赤か黒かと言われれば、どちらかというと赤のイメージの果実味。そして口中を引き締めるスパイスの風味が特徴です。凝縮した果実味ですがバランスは素晴らしいです。昨年のWS誌年間トップ100ワインで2016年ヴィンテージが見事10位にランクインしました。ワンス&フューチャーのベッドロック・ヴィンヤード・ジンファンデルも自社畑ベッドロック・ヴィンヤードから。2016年は、約85%ジンファンデルで、残り約15%はベッドロック・ヴィンヤードの25品種のいくつかをブレンド。1980年代に使われていたレッドウッドの開放大樽にて発酵。天然酵母使用。フレンチオーク(30%新樽)で熟成。全て手作業とのことです。ベッドロックに対してこちらはどちらかというと黒のイメージですが、凝縮した果実味はエレガントで、きめの細かいタンニンが素晴らしく、どこかオールドワールドのワインを彷彿させる雰囲気があります。生産量はなんと約150ケースです。息子モーガンのザ・ベッドロック・ヘリテージと父ジョエルのベッドロック・ジンファンデルの飲み比べは非常に興味深かったです。最後にワンス&フューチャーのパリセーズ・ヴィンヤード・プティ・シラーです。ナパ・ヴァレーのカリストガから。1878年に植樹され、禁酒法時代も栽培は続き、1968年にセント・ジョージアの台木に接ぎ木したため第2次フィロキセラも免れ現在に至ります。1980年代に使われていたレッドウッドの開放大樽にて発酵。天然酵母使用。フレンチオーク(30%新樽)で熟成。これも全て手作業とのことです。このプティ・シラーは非常に小さな粒とのことで、ジンファンデルより色濃く凝縮感が凄いのですが、非常にまろやかでジューシーです。長期熟成のポテンシャルを持ちます。寝かせてみたいです。生産量は約190ケースです。ちなみにワンス&フューチャーのラベルは日本の家紋をイメージしたとのことです。どれもカリフォルニアらしい旨味を持ちながらも、バランスがとれデリケートな要素を兼ね備える素晴らしいワインでした。

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終了後は大変な騒動(笑)になるだろうと思い、セミナー開始直前にちょっとだけご挨拶。レイヴェンズウッドは訪問しておりますが、ワイナリーでオーナーに会えるチャンスは少ないです。ジョエルさんとは2006年に日本でお会いしました。その時に例のジャージにサイン頂戴しました。サンフランシスコで生まれ育ったジョエルさんですからもちろんジャイアンツのファンです(喜)。2009年にもお会いでき、今回3度目のご対面となりました。モーガンさんとは2度目のご対面。2016年にサイン頂戴しました。クリスさんもモーガンさんと一緒に2016年にサイン頂戴しました。モーガンさんのサインはちょうど100人目のサインでした。「ジョエルさん、これ覚えていますか?」「おお!ジャイアンツ!」「2006年です」「懐かしい」「またお会いできて嬉しいです」「息子のモーガンだよ」「存じております」「サインは?」「すでに頂戴しております」「(笑)(ジョエル)」「また会えたね(モーガン)」「はい」「俺のサインもあるよな(クリス)」「はい」ということで4人で記念撮影です(笑)。

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中央にジョエルさん
左にモーガンさん
下にクリスさん
サイン

素晴らしい親子です。そしてとても仲良しの3人です。ジョエルさんは、モーガンさんがベッドロックを立ち上げた時「怖い恐ろしい」と思ったとのこと(ジョークです)。ワイン造りの大変さを知るジョエルさんはやはり心配していたのですが、たくましく育った息子を嬉しく思っているようです。モーガンさんは、ジョエルさんがワンス&フューチャーを立ち上げた時「競争が始まる」と思ったとのこと(ジョークです)。今では一緒にワイン造りができて嬉しく思っているとのことです。ジョエルさんはレイヴェンズウッドの初期は手も足も葡萄の汚れだらけだったと。ブランド売却後は汚れることはなくなったと語りました。これからの人生の喜びや幸せを考えてワンス&フューチャーを立ち上げました。今は孫(モーガンの姉の娘)とワイン造りを行うことでまた手も足も葡萄の汚れだらけになったことを喜んでいます。モーガンさんは天才的なワイン造りをしますが、醸造所にいるよりも畑にいるほうが楽しいとのこと。事実畑で多くの時間を過ごしているようです。自分は農夫だと語りました。2017年にカリフォルニアのワインメーカーで初めてマスター・オブ・ワインを取得したモーガンさん。(ジョーク的な意味を込めて、)モーガンさんは「僕のことは、MPMW マスター・オブ・ワインのモーガン・ピーターソンと呼んでくれ」と笑ってました。そしてジョエルさんは「俺のことは、FMW(father of Master of Wine) マスター・オブ・ワインのモーガンのお父さんと呼んでくれ」と笑ってました。ジョエルさんは10歳からワインをたしなみ、モーガンさんはジョエルさんの英才教育を打受けなんと5歳からワインをたしなみました。その差が、モーガンさんがマスター・オブ・ワインを取得し、ジョエルさんが取得できなかった理由だ、とジョエルさんは笑っていました。本当に素晴らしい親子です。とても興奮した(笑)、そしてとても楽しくて素晴らしいセミナーでした。

Bedrock
Oakville Farm House
Heritage Red Wine
ベッドロック5
Once & Future
Sangiacomo Vineyard
Merlot
ベッドロック4

以前もお話しましたが、ジョエルさんはもちろんジャイアンツのファンですが、モーガンさんはちょっと怪しいのです(笑?)。。。最後におまけの記念撮影です(笑)。。。

ベッドロック7

【久しぶりに来日しました・・・しかもなんと親子揃ってでです・・・】(2月12日配信)

【WS誌年間トップ100ワインで遂にトップ10入りをしたベッドロックから希少アイテムが入荷しました・・・】(2018年12月6日配信)

 

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