カリフォルニアワイン業界トップの規模を誇るソノマの帝王「ケンダル・ジャクソン・ワインズ」。このグループのナパにおける象徴でもある、ロコヤ(P100)、ラ・ホタ(P98)、カーディナル(WE100)でワインメーカーを務めるクリス(クリストファー)・カーペンター氏が初来日しました。ラ・ホタ、カーディナルを取り扱う輸入元主催のテイスティング・セミナーに参加してきました。
「ラ・ホタ La Jota 」は古い歴史を持つワイナリーで、1898年スイス移民フレデリック・ヘスが石造りのワイナリーをハウエル・マウンテンに建設し、ラ・ホタ・ヴィンヤーズを設立しました。ワイナリーの名前ラ・ホタは、1844年にメキシコ領から借り受けた土地のランチョ・ラ・ホタから。1890年代に植えられた葡萄を使って造られたワインは1900年のパリ博でメダルを受賞しました。
「カーディナル Cardinale 」は、元々はケンダル・ジャクソンの最上級ワインとして生産されたワインで、現在は独立したブランドとしてケンダル・ジャクソン・ワインズの中でも重要なポジションを担うワイナリーです。ナパ・ヴァレーを囲むマヤカマス山脈とヴァカ山脈。カーディナルは、その山脈沿いに位置するダイアモンド・マウンテン、スプリング・マウンテン、ハウエル・マウンテン、マウント・ヴィーダーにフォーカスしたカベルネ・ソーヴィニヨンからワインを造り出しています。生産するのは1銘柄のみ。カーディナルは単純な1つのワインではありません。それぞれの山の畑はそれ自体でも美しいノートを造り出すのですが、一緒に奏でる曲はさらなるフレーバー、テクスチャーを持ち合わせた素晴らしい交響曲となります。
ロコヤ、ラ・ホタ、カーディナルでワインメーカーを務めるのがクリス・カーペンター。UCデイヴィスで栽培学と醸造学の修士号を取得。ケンダル・ジャクソン・ワインズ入社後は、2000年にロコヤのワインメーカーに、2001年にカーディナルのワインメーカーに、2005年にラ・ホタのワインメーカーに抜擢されました。クリス・カーペンターはまさに山カベ(山のカベルネ・ソーヴィニヨン)造りのトップ・スペシャリストです。ちなみにカーディナルは2006年ヴィンテージでワイン・エンスージアスト誌から100点を授与されました。ワイン・エンスージアスト誌における100点満点はカリフォルニアでは3銘柄しかありません。
テイスティングはこちらです・・・(価格は輸入元定価税抜です・・・)
La Jota Cabernet Franc Howell Mountain Napa Valley
★ラ・ホタ カベルネ・フラン ハウエル・マウンテン 2012 ¥13,000
La Jota Cabernet Sauvignon Howell Mountain Napa Valley
★ラ・ホタ カベルネ・ソーヴィニヨン ハウエル・マウンテン 2012 ¥13,000
La Jota “Heritage Release” Cabernet Sauvignon Howell Mountain Napa Valley
★ラ・ホタ ”ヘリテージ・リリース” カベルネ・ソーヴィニヨン ハウエル・マウンテン 2005 参考品
Cardinale Components 2010
2010年のカーディナル・コンポーネント
Merlot Howell Mountain
★ハウエル・マウンテン メルロー 2010
Spring Mountain Cabernet Sauvignon
★スプリング・マウンテン カベルネ・ソーヴィニヨン 2010
Howell Mountain Cabernet Sauvignon
★ハウエル・マウンテン カベルネ・ソーヴィニヨン 2010
Mt. Veeder Cabernet Sauvignon
★マウント・ヴィーダ― カベルネ・ソーヴィニヨン 2010
Cardinale Cabernet Sauvignon Napa Valley
★カーディナル カベルネ・ソーヴィニヨン ナパ 2010 WA96 ¥32,500
Cardinale Cabernet Sauvignon Napa Valley
★カーディナル カベルネ・ソーヴィニヨン ナパ 2012 WA98 ¥45,000
Cardinale Cabernet Sauvignon Napa Valley
★カーディナル カベルネ・ソーヴィニヨン ナパ 2005 WA98 参考品
まずはラ・ホタです。めずらしい100%カベルネ・フランです。ワイナリーのすぐ隣にある、ナパで最も古いカベルネ・フランの畑から。野生のキイチゴを思わせる風味。濃縮感ありありですが細かいタンニンとミネラル感。輸入元定価¥13,000(税別)。カベルネ・ソーヴィニヨンは、カベルネ・ソーヴィニヨン(77%)、カベルネ・フラン、プティ・ヴェルド、メルローのブレンド。深いベリーのアロマ。アーシー。黒い果実味とストラクチャー。輸入元定価¥13,000(税別)。ヘリテージ・リリース(旧名アニバーサリー)は、ハウエル・マウンテンの自社畑から選び抜かれた葡萄のみを使用。100%カベルネ・ソーヴィニヨンで、フレンチオーク(100%新樽)にて22ヶ月熟成。極上のボルドーを思わせるアロマ。凝縮したダークフルーツ満載ですが、バランスがとれタンニンも心地良く、とても綺麗に熟成しています。長期熟成の可能性ありありです。382ケース。
そしてカーディナルです。2010年のカーディナルを構成する4つのワインをテイスティング。ブレンド前の異なる山の原酒です。2010年は難しいヴィンテージとのこと。2010年カーディナルは86%カベルネ・ソーヴィニヨン、14%メルローで、フレンチオーク(98%新樽)にて20ヶ月熟成。ダークチェリーやスパイス。ミッドパレットが華やかでリッチでストラクチャーがあります。フィニッシュも力強いです。輸入元定価¥32,500(税別)。グレート・ヴィンテージとなった2012年カーディナルは84%カベルネ・ソーヴィニヨン、16%メルローで、フレンチオーク(93%新樽)にて20ヶ月熟成。ブラックベリー、カラント、ローストしたコーヒー、スパイスなどの華やかな香り。複雑味もありパワー全開ですが、非常に均整がとれています。むしろ果実のピュアさが目立つくらい。2010年はちょっとドライなイメージですが、2012年はふくよかでエレガントです。輸入元定価45,000(税別)。最後の2005年は88%カベルネ・ソーヴィニヨン、12%メルローで、フレンチオーク(100%新樽)にて20ヶ月熟成。まだまだリッチですが、口当たりはシルクのようにスムースで綺麗に熟成しています。
一昔前のナパの山カベは、リリース直後は非常に硬くてドライな印象で、寝かせることが必要でしたが・・・カーディナルの2010年、2012年は今飲んでも美味しいです。クリス・カーペンターはその点も考慮していて、比較的早くからでも楽しめるスタイルにしているようです。
クリスさんと一緒に・・・ | |
Go Giants! Chris Carpenter |
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セミナー終了後例のジャージを取り出しました。クリスさんはジャイアンツ・ファンであるという情報はすでに入ってました(笑)。ちょっとシャイな感じのクリスさんもジャージを見て大はしゃぎでした(笑)。ちなみにクリスさんはシカゴ出身です。
【ビッグ・ヴィンテージの2010年&2012年のカベルネがいろいろ入荷です・・・】(4月28日配信)