クリスチャン・ムエックス氏来日!(ドミナス・エステート)

ペトリュス、トロタノワ、マグドレーヌなどのボルドー右岸のトップ・シャトーを所有するジャン・ピエール・ムエックス社。その2代目社長クリスチャン・ムエックス氏がナパ・ヴァレーで展開するのが「ドミナス・エステート」です。

ムエックス1

クリスチャン・ムエックス氏が久しぶりに来日しました。輸入元エノテカさんの銀座店で行われたイベント「ドミナス・エステート」に参加しました。

Mr. Christian Moueix ムエックス

パリで農業工学を学んだクリスチャン・ムエックスはカリフォルニアへ渡り UC デイヴィスで醸造学を学びました。父親の命令でフランスに戻りましたが、ナパ・ヴァレーへの思いは消えることはありませんでした。故ロバート・モンダビにある畑を紹介され、再びカリフォルニアへ渡りました。ヨントヴィルに位置する、ナパ最古の畑の1つと言われる、ナパヌック・ヴィンヤードです。一目惚れでした。1982年に、ナパヌック・ヴィンヤードを所有する、”ナパ伝説のワイナリー” と言われた「イングルヌック」の地を受け継ぐロビン・ダニエル・レイルと「ドミナス・エステート」を設立しました。

Dominus 2013
Napa Valley Red Wine WA100
ムエックス7

クリスチャン・ムエックス氏からドミナスのワイン造りについてお話がありました。クリスチャンさんは UC デイヴィス当時に素晴らしいカリフォルニアワインにも出会いましたが、カリフォルニアワインは全体的に少しテクニカルに走っているのではないかと思っていました。ワインは畑が造るものであると。現在ドミナスの畑はドライファーミング(灌漑なし)が行われています。醸造は優しく醸造し、強い抽出をしないことを心がけています。また生まれ育ったボルドーがそうであるように、葡萄の栽培からワインの瓶詰めまで一貫して自らが行うことができるエステート・ワイナリーを望んでいました。1997年に完成したワイナリーの外壁はワイヤーメッシュのカゴの中に詰め込んだ岩(玄武岩)で囲まれています。これは強い太陽光を遮断しかつ建物を冷却する効果があります。クリスチャンさんは、派手な建物ではなく、地形に隠れた?建物(ワイナリー)を望んでいましたが、スイス出身の Jacques Herzong ヘルツオークと Dierre de Meuron ド・ムーロンの2人が見事に造り上げました。ちなみに2人はロンドンのテート・モダンや北京のオリンピックスタジアムを手掛けた、世界的に知られる建築家で、アメリカではドミナス・エステートが初のプロジェクトでした。

ムエックス2

ワインはこちらです。(価格は現在の輸入元の税込販売価格です。)

 Othello Red Wine Napa Valley 2019
★オテロ レッドワイン ナパ・ヴァレー 2019 ¥9,350
 Napanook Red Wine Napa Valley 2019 WA93 JS96
★ナパヌック レッドワイン ナパ・ヴァレー 2019 ¥19,800 WA93
 Napanook Red Wine Napa Valley 2012
★ナパヌック レッドワイン ナパ・ヴァレー 2012 ¥22,000
 Dominus Red Wine Napa Valley 2019 WA98 JS98
★ドミナス レッドワイン ナパ・ヴァレー 2019 ¥71,500 WA98
 Dominus Red Wine Napa Valley 2013 WA100 AG100 JS100
★ドミナス レッドワイン ナパ・ヴァレー 2013 ¥165,000 WA100
 Dominus Red Wine Napa Valley 2001
★ドミナス レッドワイン ナパ・ヴァレー 2001 ¥132,000

ムエックス3

ドミナスのワインは全て自社畑の葡萄から造られます。カベルネ・ソーヴィニヨンが主体(80~90%ほど)で、カベルネ・フランとプティ・ヴェルドがブレンドされます。フレンチオークで熟成。ドミナス第3のワインと言われたオテロは、強い果実味を抑えた和食にも合う味わいを、という輸入元の依頼に応えて造り上げたワインです。2006年がファースト・ヴィンテージです。ラベルはクリスチャン・ムエックス氏の奥様がデザインしました。日本の国旗をイメージしたそうです。黒ではない赤い果実味が印象的です。

セカンドワインのナパヌックです。1996年がファースト・ヴィンテージです。オテロとナパヌックももちろん自社畑の葡萄から造られますが、若木の葡萄や標高の低い区画の葡萄から造られます。古樹の葡萄や標高の高い区画の葡萄はクオリティが高くトップ・キュヴェに使われます。2019年は、87%カベルネ・ソーヴィニヨン、8%プティ・ヴェルド、5%カベルネ・フランで、フレンチオーク(40%新樽)で熟成。2019年はまだタンニンがしっかりです。2012年は落ち着きがあり今ちょうど良い感じです。

そしてトップ・キュヴェのドミナスです。2019年は全体的に評価は高いのですが、雨が多かった年で、しっかりとしたタンニンを感じるものの優しいタンニンのイメージです。2019年は、90%カベルネ・ソーヴィニヨン、6%プティ・ヴェルド、4%カベルネ・フランで、フレンチオーク(40%新樽)で熟成。2013年はカリフォルニアのグレート・ヴィンテージで、ドミナスはこのヴィンテージで2度目のパーカー100点を獲得しました。アントニオ・ガローニも100点、ジェームス・サックリングも100点を付けました。2013年は、89%カベルネ・ソーヴィニヨン、7%プティ・ヴェルド、4%カベルネ・フランで、フレンチオーク(40%新樽)で熟成。まだまだタンニンはしっかりで、あと10年寝かせても良いと思います。ちなみに2013年はドミナス創業30周年に当たり、ロバート・パーカーが、せっかくだから記念ラベルにしたら、と提案したそうです。久しぶりにクリスチャン・ムエックス氏の肖像画が採用されました(ムエックスは1991年から現行のラベルとなりました。それ以前はクリスチャン・ムエックス氏の肖像画がラベルを飾りました)。最後の2001年は非常に暑い年で、ワインをコントロールするのがとても難しかった年だったとのことです。赤い綺麗な果実味で、スパイシーな風味が印象的です。ナパ・ヴァレー北部のカベルネ・ソーヴィニヨンとは一味違う、複雑味のあるエレガントな味わいです。

ムエックス6

実は、2008年1月に開催されたシャトー・プロヴィダンスの初リリースのお披露目セミナーに参加したのですが、その時はお話することはできませんでした。

歓談中にクリスチャンさんが参加者のテーブルを廻ってくださいました。私のところへ。「あの~、私のシャツにサイン頂戴できますか?」「シャツに?」「はい、シャツに。」例のジャイアンツのジャージを取り出すと、クリスチャンさんはまだ疑問顔です。ショウヘイ・オオタニはサンフランシスコに来なかった、とふっても無反応(苦笑)。クリスチャンさんはどうやら野球には興味はないようです(再苦笑)。「全てカリフォルニアのワイナリーのオーナーやワインメーカーのサインです。これがフィリップ・メルカさん、これがマーガレット・ダックホーンさん、これがジョシュ・ジェンセンさん。」「オー!メルカ!なるほど。」「サイン頂戴できますか?」「サインします(苦笑)。」もう表側はスペースがないので、サインは秘蔵の裏側へ。「これがマイケル・モンダビさん、これがティム・モンダビさん、これがボー・バレットさん。」「モンダビ・ファミリーとは古い付き合いなのでここに書くよ。」と、笑顔でサインを書いてくださいました。

ムエックス4
ムエックス5

そしてイベント終了となりました。クリスチャンさんに記念写真良いですか?とジェスチャーすると笑顔で OK! のサインが。「このシャツは実にユニークで素晴らしい。」とお褒めのお言葉を頂戴しました。そして自らジャージを持つ(苦笑)。

一番左です(下が
ティム・モンダビさんです)
ムエックス9
2008年の
セミナーにて
2008年1月

クリスチャンさんはとてもインテリジェントでとてもユニークな方なのです。お話できて嬉しかったです。

#Dominus Estate
#Napa Valley

#ドミナス・エステート
#ナパ・ヴァレー

#ENOTECA
#エノテカ
#東京

【年末スペシャルです・・・ナパ・ヴァレーの極上のカベルネ・ソーヴィニヨンです・・・】(2022年12月25日)

【2度目のパーカー100点獲得です!しかも30周年記念ラベルです!】(2017年5月10日)

 

 

 

コメントは受け付けていません。