ナパ・ヴァレー南部の冷涼地区オーク・ノールのエステート・ヴィンヤードから、ナパらしい、かつ抑制された綺麗な味わいのワインを作り出している「Cunat Family キューナット・ファミリー・ヴィンヤーズ」。そのキューナット・ファミリー・ヴィンヤーズからワインメーカーのチェルシー・バレットさんと統括ディレクターのキャリン・ハリソンさんが初来日しました。
(実はキューナット・ファミリー・ヴィンヤーズのワインは数年前まで日本市場に存在していましたが。この度輸入元が変わりました。ということで、今回オーナー夫人とワインメーカーの来日となりました。前輸入元時代にはオーナーのブライアン・キューナット氏にお会いしています。そのお話は下記ブログからどうぞ。)
夫人との出会いによりワインに魅了されたブライアン・キューナットは2007年にオーク・ノールに50エーカーの土地を購入し、キューナット・ファミリー・ヴィンヤーズを設立しました。畑は、冷涼地オーク・ノールに最も適応する葡萄としてシャルドネとメルローを主体に、ソーヴィニヨン・ブラン、ヴィオニエ、マルベック、プティ・ヴェルドなどが栽培されています。2017年に Napa Green Winery の認証を受け、サスティナブルな栽培と醸造を行っています。ワイナリーは最新設備を揃え、ナパ・ヴァレーでも最も優れたワイナリーの1つとしても知られています。
2019年からチェルシー・バレットがワインメーカーを務めます。3代に亘るワイン醸造一家に生まれたチェルシーさん。UC デイヴィス卒業後は国内外の著名ワイナリーで経験を積みました。キューナット・ファミリー・ヴィンヤーズに移る前は、7年に亘りナパの人気ワイナリーのジョエル・ゴットでワインメーカーを務めました。キャリン・ハリソンは医師を目指して UC デイヴィスに入学しましたが、ワインに出会い方向転換しました。キャリンさんも醸造を学び、スタッグス・リープ・ワイン・セラーズやダックホーンを経てジョエル・ゴットに入社。チェルシーと出会い、そして2人はキューナット・ファミリー・ヴィンヤーズへ移りました。
テイスティングはこちらです。(価格は輸入元上代税抜き価格です。)
- Materra -
Yamabuki Albarino Oak Knoll Napa Valley 2023
★やまぶき アルバリーニョ オーク・ノール ナパ・ヴァレー 2023 未リリース
Shinkan Chardonnay Oak Knoll Napa Valley 2022
★森閑 シャルドネ オーク・ノール ナパ・ヴァレー 2022 ¥5,160
Chardonnay Oak Knoll Napa Valley 2021
★シャルドネ オーク・ノール ナパ・ヴァレー 2021 ¥5,800
Midnight Red Wine Napa Valley 2021
★ミッドナイト レッドワイン ナパ・ヴァレー 2021 ¥7,900
Right Bank Red Wine Napa Valley 2021
★ライト・バンク レッドワイン ナパ・ヴァレー 2021 ¥9,640
Hidden Block Cabernet Sauvignon Napa Valley 2019
★ヒドゥン・ブロック カベルネ・ソーヴィニヨン ナパ・ヴァレー 2019 ¥10,780
ワインの名前は Materra マテッラです。マテッラはラテン語で母なる大地を意味します。オーナー夫人は日本人女性の美紀さんです。実は美紀さんは、日本林業の父と呼ばれ、明治時代に数々の業績を残した土倉庄三郎の曾孫にあたる方です。マテッラでは吉野の自然の美を表現したジャパン・シリーズというワインを作り出しています。非常に繊細な味わいのワインです。最初の2つはそのジャパン・シリーズのワインです。やまぶき・アルバリーニョはこの2023年ヴィンテージが初リリースとなるワインです。このワインは6週間前にボトリングされたワインで、まだリリースされていません。2020年にワイナリーのすぐ南に植樹された新しい区画の葡萄を使用しました。100%アルバリーニョで、85%をステンレスタンクで、15%をニュートラルオークで熟成しました。ワインの色合いや香りがジャパニーズ・ローズの呼び名で親しまれる日本原産のバラ科植物のやまぶきを連想させることから命名しました。柑橘系果実のアロマ。ほのかにオイリーな口当たり。非常に繊細な果実味ですが、ミネラル感もあり、したたかに味わいを主張します。そして森の静けさを表す森閑(しんかん)と名付けられたシャルドネです。いわゆるナパの伝統的な(樽風味のある)シャルドネとは逆の、樽感が控えめで繊細かつ爽快感のある味わいに仕上げました。62%をステンレスタンクで、4%を新樽で、34%旧樽で熟成。骨格を作るため僅かな新樽を使用。ジャスミンなどの白い花のアロマ。繊細で綺麗な果実味で、フレッシュでクリスピーな味わいです。ジャパン・シリーズのラベルは、クリエイターでありデザイナーであるキューナット夫妻の次女エイミーさんがデザインしたものです。ワイン・エンスージアスト誌が91点を付けました。マテッラのラベルのシャルドネはエステート・ヴィンヤードのいくつかの区画からセレクト。100%シャルドネで、フレンチオーク(28%新樽)で10ヶ月熟成です。マロラクティック発酵はしません。MLF なしはチェルシーさん個人の嗜好のようです(生まれ育った環境が要因?)。こちらもジャスミンなどの花のアロマが印象的です。ライチやタンジェリンのニュアンスも印象的。引き締まった果実味ですが、クリーミーな口当たりです。白ワインは各々アルコール度数が14%台と、現在のワイン造りの傾向に反してる?ようですが、チェルシーさんはあえて人工的に?アルコール度数を下げることはしていないと。フレーバーと伴うパーフェクトな状態での収穫を一番としているので、その葡萄から造られるワインのアルコール度数は気にしていないとのことです。実際数字から感じるアルコール度数の高さは感じられません。
そして赤ワインです。ミッドナイト・レッドワインは、29%マルベック、21%メルロー、20%プティ・ヴェルド、17%シラー、7%プティ・シラー、6%カベルネ・フランで、フレンチオーク(47%新樽)で18ヶ月熟成です。エステート・ヴィンヤードのマルベックとメルローを主体に作る、ワインメーカーの遊び心から始まったワインです。通常マルベックが50%を超えるようですが、干ばつ影響の残るヴィンテージではのセパージュとなりました。思いがけずプティ・ヴェルドが良い結果を出したようですが。黒系果実のニュアンス。しっかりと濃縮した果実味ですが、心地良いタンニンとしっかりした酸が全体をまとめています。ワイン・インデペンデントが93点を付けました。ライト・バンク・レッドワインは、91%メルロー、7%カベルネ・フラン、2%カベルネ・ソーヴィニヨンで、フレンチオーク(51%新樽)で18ヶ月熟成です。メルローの銘醸地オーク・ノールで自信を持って作り出す、ワイナリー定番のメルローブレンドワインです。メルローはチェルシーのお気に入りの品種です。醸造には気合が入っているようです(苦笑)。プラム、ダークチェリーのアロマ。樽由来のバニラやスパイスのニュアンス。柔らかなアタックのふくよかな赤黒系果実の果実味。心地良い酸が全体をまとめ、とてもバランスの良い調和の取れた味わいです。ジェームス・サックリングが91点を付けました。最後にヒドゥン・ブロックと名付けられたカベルネ・ソーヴィニヨンです。ダイアモンド・マウンテンに位置する畑の葡萄が主体になります。以前はこのヒドゥンと名付けられたブロックの葡萄を使用していましたが、現在は使用しておらず、敬意を表して名前だけが残っているようです。89%カベルネ・ソーヴィニヨン、6%メルロー、4%プティ・ヴェルド、1%カベルネ・フランで、フレンチオーク(60%新樽)で20ヶ月熟成です。深いルビー色。カシスのアロマ。紅茶。スキンコンタクトはしっかりとしかし短い時間で、フルーティーでバランス良く仕上げることを強調。ミディアム~フルボディですが、しっかりと綺麗な果実味を感じられ、バランス良く仕上がっています。
セミナー終了です。さっそくご挨拶に。先ずはオーナー夫人の元へ。2016年にブライアンさんにお会いしたお話をしました。そして2人の元へ。「はじめまして。あの~サイン頂戴できますか。私のシャツに。」「?シャツに?」「これです。」「オー!ジャイアンツ!」「サインはカリフォルニアのワイナリーのオーナーやワインメーカーのサインです。」「オーマイガー(みたいな)」「これはブライアンさんのサインです。2016年にお会いしました。」「知り合いもいるわ。サインするわ。」「ではここに。」ということで、ボタンを外し、ジャージの内側を広げました。ジャージの内側には偉大なワインメーカーのサインがあります。「ボーさんのサインです。」「(チェルシーさんは)オーマイガー(みたいな)」チェルシーさんとキャリンさんは大笑いでサイン書いてくださいました。「写真撮りたい。」「はい。撮りましょう。」ということで、恒例のツーショット、いやいや、スリーショットとなりました(苦笑)。
チェルシーさん(左)と キャリンさん(右)と・・・ |
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「チェルシーさん、ボーさんによろしくお伝えください。」「了解よ。」チェルシー・バレットさんの名前を聞いて、あ!っと思った方はカリフォルニアワイン通です(苦笑)。そうです、チェルシー・バレットさんは、あのシャトー・モンテレーナの2代目オーナーのボー・バレットさん、そして “ナパの女神” “ワイン造りの女神” と言われた、3大女性醸造家の1人であるハイジ・バレットさんの娘さん(次女)なのです。
Mr. ブライアン・キューナット | |
Mr. ボー・バレット | |
ブライアン・キューナット氏(2016年5月)とボー・バレット氏(2013年4月と2016年4月)です。
#Materra Wine
#Cunat Family Vineyards
#Napa Valley
【ブライアン・キュナット氏来日!(マテッラ)】(2016年6月22日)