いつもお世話になります。例によって入荷の限られたワインですので、またまた早い者勝ち販売になってしまい申し訳ありません(2012年5月15日配信)。
以前は必須アイテムの定番ワイナリーでしたが・・・久しぶりのご案内になります・・・
カリフォルニア最上のジンファンデル生産者から新しいワインが入荷しました・・・
《 RIDGE VINEYARDS リッジ 》
カリフォルニアワイン・ファン、そしてジンファンデル・ファンにはご説明不要の「リッジ」ですね。レイヴェンズウッド Ravenswood、ローゼンブルム Rosenblum と共に「ジンファンデル3大R」と言われています。
リッジの歴史は、サンフランシスコのイタリア人地区の名士であり医師でもあったオセアベロンがサンフランシスコ南部サンタ・クルーズ・マウンテンのモンテベロリッジの頂上近くに180エーカーの土地を購入した1885年に始まります。その地にモンテベロ・ワイナリーを建設し、1892年モンテベロの名前で初めてワインが造られました。山腹に造られた3階建ての個性的なセラーは現在リッジの醸造場として使われています。この地の葡萄園はリッジの「高い方の葡萄園」と呼ばれています。
1940年代神学者でフランスワインの愛好家であったウイリアム・ショートがモンテベロ・ワイナリーの直下にあった閉鎖されていたワイナリーと葡萄園を購入し、そのうちの幾つかの区画にカベルネ・ソーヴィニヨンを植え替えました。この地の葡萄園はリッジの「低い方の葡萄園」と呼ばれています。
1959年デーブ・ベニヨンと彼の3人のパートナー(全員スタンフォード・リサーチ・インスティテュートの技術者)が「低い方の葡萄園」を購入し、初めて自社畑産のカベルネ・ソーヴィニヨンを10ガロン醸造しました。これがリッジの原型となりました。このモンテベロ・カベルネは60年代のカリフォルニアにおける最高品質のワインの1つとなりました。
(ジンファンデルは1964年隣接したビケッティランチの葡萄園(19世紀に入植)の葡萄を買い取り、リッジとして初めてのジンファンデルが造られました。1966年にはソノマ北部のガイザーヴィルの葡萄からもジンファンデルが造られました。)
1967年デーブ・ベニヨンが社長となり、会社組織リッジ・ヴィンヤーズが設立されました。デーブ・ベニヨンは1969年若いワイン醸造家ポール・ドレイバーを雇いました。スタンフォード大学で哲学を学び、チリの海岸沿いにワイナリーの設立を手掛けた後帰国したポール・ドレイバーは、経験に富んだ醸造家であり、ワイン学者ではありませんでした。彼の品質の高いワインと伝統的な手法に関する知識は、リッジにより開拓された率直な手造りの手法をより完全なものとしました。彼の指揮の下に古いワイナリーは復元され、品質の高い葡萄園はリース契約または購入され、リッジ・ワインの安定した品質と世界的な評価がここに確立されました。
「聖人」「神の手を持つ男」とまで呼ばれる天才醸造家ポール・ドレイバー。2000年にはアメリカン・ワイン・アワード Wine Maker of The Year に輝き、2006年にはサンフランシスコ・クロニクルからWine Maker of The Year に選ばれ、2007年には James Beard Foundation Awards を受賞しています。また、イギリス・デキャンター誌が世界の中からたった1人だけを選ぶ、年間を通じてワイン業界で最も活躍した人物として Man of The Year にも選ばれています。(ちなみにアメリカ人としては3人目の快挙で、他の2人はロバート・モンダビとアンドレ・チェリチェフです)
カリフォルニアワインを世界に知らしめたご存じ1976年パリ・ブラインド・テイスティング。リッジもアメリカ代表ワインに選ばれました。1971年モンテベロです。この時は、1973年スタッグス・リープ・ワイン・セラーズ、1970年シャトー・ムートン、1970年シャトー・オー・ブリオン、1970年シャトー・モンローズに続いて第5位の評価でしたが、2006年に行われたパリ事件30周年記念テイスティングでは見事リッジが第1位に輝きました。
(以上リッジの日本公式サイト、大塚製薬株式会社のサイトを参照しました・・・1986年大塚製薬株式会社はリッジ・ヴィンヤーズを買い取りました・・・)
そのリッジから新しいジンファンデルが日本初入荷しました!
Ridge East Bench Zinfandel Dry Creek Valley
★リッジ イースト・ベンチ ジンファンデル ドライ・クリーク・ヴァレー 2009 ¥4,725 WA91
リッジが誇るジンファンデルの2枚看板が「リットン・スプリングス」と「ガイザーヴィル」。共にリッジが所有する自社畑で、リットン・スプリングスはソノマ北部のドライ・クリーク・ヴァレーに位置し、ガイザーヴィルは境界を越えてすぐ北のアレキサンダー・ヴァレーに位置します。
イースト・ベンチは、リットン・スプリングス(リットン・ウエスト)に隣接する新しい畑です(リットン・スプリングスの一部分で単一区画でもあります)。ゆえにリットン・スプリングスのセカンドまたは弟分的ワインと言えますが、リットン・スプリングスには9種類の品種が植えられているのに対して、イースト・ベンチにはジンファンデルだけが植えられています。したがってイースト・ベンチはリットン・スプリングスやガイザーヴィルとは異なり、100%ジンファンデルのワインです。
リットン・スプリングスとガイザーヴィルをリッジが誇るジンファンデルの2枚看板と申しましたが、実はリットン・スプリングスもガイザーヴィルもプティ・シラーやカリニャンを多く含む、いわばフィールド・ブレンド・レッド・ワインです。今回の100%ジンファンデルのイースト・ベンチはリッジのラインナップではちょっと珍しいタイプのワインと言えます。
赤黒い果実味で、程良い酸と心地良いタンニンを持つ、バランスのとれた味わいです。リッジの雰囲気を十分に持ちながらも、リットンやガイザーに比べるとチャーミングさを持つ魅力的なワインです。時間をかけてゆっくりと味わっていただきたいワインです。
100%ジンファンデル ALC15,2%
The 2009 Zinfandel East Bench is a big, burly wine loaded with dark cherries, flowers, tabacco and sweet herbs, all of which come together on a medium-bodied frame. It shows lovely length and personality, although some rough edges remain. With air, though, some of those angular contours begin to soften. Anticipated maturity: 2012-2019. – Wine Advocate #196 –
2009 イースト・ベンチ ジンファンデル |
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Ridge Lytton Springs Dry Creek Valley
★リッジ リットン・スプリングス ドライ・クリーク・ヴァレー 2009 ¥7,507 WA95 残少
ジンファンデル・ファンでなくても垂涎のワイン、リットン・スプリングスです!
1991年リッジの自社畑となったリットン・スプリングス。リットン・ウエスト(150エーカー)とリットン・イースト(50エーカー)に分かれ、プティ・シラー、カリニャン、グルナッシュ、シラーなども植えられています。最も古い区画の樹齢は110年に及びます。
2009年はWA誌による歴代最高の評価になりました。2009年リットン・スプリングスは、71%ジンファンデル、23%プティ・シラー、6%カリニャンで、100%アメリカンオーク(14%新樽)にて14ヶ月熟成です。
The 2009 Lytton Springs is the biggest and most structured of these 2009 Zinfandel-based reds, largely owing to the earthier soils and the presence 23% Petite Sirah. Black fruit, plums, tar, licorice, and smoke are some of the notes that flow from this generous, inviting red. The Lytton Springs is fairly structured, and can definitely benefit from another year year or two (perhaps more) in bottle. The blend is 74% Zinfandel, 21% Petite Sirah and 5% Carignane. Anticipated maturity: 2013-2029. – Wine Advocate #196 –
2009 リットン・スプリングス |
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Ridge Monte Bello Santa Crus Mountains
★リッジ モンテベロ サンタ・クルーズ・マウンテン 1997 ¥21,000 残少
リッジのフラッグシップであり、カリフォルニアの歴史的にも重要なカベルネの1つである「モンテベロ」。モンテベロは、自社畑の区画ごとに別々に収穫し、別々に発酵させたワインの中から厳選されたワインです。90年代最高のヴィンテージの1つと言われる1997年。1997年モンテベロは、85%カベルネ・ソーヴィニヨン、8%メルロー、4%プティ・ヴェルド、3%カベルネ・フランです。まだまだ熟成中です。
2006年5月24日、1976年パリ・ブラインドテイスティングの30周年記念テイスティングがロンドンとナパで同時開催されました。主催者スティーブン・スパリエは今回こそボルドーの赤が勝利するだろうと予想していました。35年前に大勝利を飾ったスタッグス・リープ・ワイン・セラーズは、とうの昔に熟成のピークを過ぎたと言われていました。ポール・ドレイバーも「モンテベロの1970年なら、フランスに勝つチャンスがあるかもしれない。だが(1976年当時と同じ)1971年ヴィンテージでは苦しい戦いになるだろ」と、めずらしく弱気のコメントをしていました。だが蓋を開けると、誰もが予想しなかった結果が待っていました。
2位以下に大差をつけての、1971年モンテベロの大勝利(ロンドン、ナパ共に1位の評価)でした。また、1位から5位までを全てカリフォルニアワインが独占したという信じがたい快挙でした(2位が1973年スタッグス・リープ・ワイン・セラーズ、3位が同点で1970年ハイツのマーサズと1971年マヤカマス、5位が1972年クロ・デュ・ヴァル)。35年前パリ事件の場に唯一立ち合わせた報道関係者ジョージ・テイバーは、当時所属していたタイム誌にこう書き付けました。「the unthinkable happened: California defeated all Gaul (考えられないことが起きた。カリフォルニアがフランスをことごとく打ち負かしたのだ。)」
「カリフォルニアワインは、フランスワインのように熟成はしない」これは今日、半ば常識となった感もある主張です。だがそれは本当ではなかった。約35年という熟成期間は、最終的な判断を下す上で十分な時間だろう。リッジを含む最高のカリフォルニアワインは、長期の熟成を経てもなお美しく、それは最高のフランスワインをもしのぎうる。この事実が明らかになった意義は大きい。ポール・ドレイバーは、今回下った新たな「判決」の後、サンフランシスコ・クロニクル紙のインタビューに次のように答えました。「1971年のモンテベロには ・・・・・大変バランスが取れていてエレガントなワインではあるが、もっと大柄なワインとの比較になるとどうかと考えていた。だから、冷涼な気候の畑から生まれた、エレガントでアルコールが低いスタイルのこのワインが認められて、非常に嬉しく思う」と。
ロンドンとパリの審査員は各9名。ヒュー・ジョンソン、ジャンシス・ロビンソン、マイケル・ブロードバンド、ミシェル・べタンヌ、フランク・ブライアルなど英仏米の名立たるワインジャーナリストが中心になりました。また1976年パリ事件の審査員も今回2名参加しました。現在ハーラン・エステートの別プロジェクト「ボンド」のディレクターを務めるマスターソムリエ、ポール・ロバーツもアメリカ側審査員として参加しました。(ポールさんとお会いした時、「ほら、これが俺だよ・・・」と写真を指差して言ってました・・・)
また、30周年記念テイスティングでは35年前の古酒だけでなく、近年のヴィンテージのワインがテイスティイングされました。カリフォルニアとボルドーからカベルネ系のワイン、カリフォルニアとブルゴーニュからシャルドネが出品され、若いヴィンテージのカリフォルニア・カベルネで第1位に選ばれたのが2000年モンテベロでした(正規審査員18名の合計点数で1位、62名の名誉審査員の点数を入れると2位)。ちなみに、2位はスタッグス・リープ・ワイン・セラーズの2001年カスク23、3位はスタッグリンの2001年ラザフォード・カベルネ、4位はシェイファーの2001年ヒルサイド・セレクトとジョセフ・フェルプスの2002年インシグニア、6位はクロ・デュ・ヴァルの2000年リザーブ・カベルネでした。
パリ事件30周年記念テイスティングはリッジの完全勝利で幕を閉じました・・・
(リッジの日本公式サイト参照)
1997 モンテベロ |
その他ジンファンデルはこちらからどうぞ・・・
【好きな色はオレンジ!でも今の気分はブラウン!】(4月24日配信)
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